- 自閉症の子供を育てるための資料やサポートが不足しているのはなぜですか?
- 自閉症についての偏見やタブーを減らすにはどうしたら良いですか?
- 自閉症の子供がちゃんと理解されるためにはどういう教育が必要ですか?
2人の子をもつ母親のチヌーク・オウは、息子が自閉症と診断されたときに、それをサポートする文献を見つけることができませんでした。
そのため現在、自分で本を執筆しています。
英国では、自閉症である割合が黒人の子どもが最も高く、白人の子どもに比べて26パーセント多いと報告されています。
しかし、初等教育読み書き能力センター(CLPE)の調査によれば、過去3年間に英国で出版された児童書のうち、有色人種の登場人物はわずか7パーセントでした。
オウは自分の本が、自閉症に対する偏見やタブーを減らす一助になればと願っています。
「黒人の子どもの方が自閉症が多い。
多くの人が知りません。
そして、自閉症についてもその診断名しか知りません。
自閉症は悪いものではないということを、みんなに知ってほしいんです。
黒人コミュニティーの中には、自閉症が悪いものだと思い込んでいる人もいます」
息子のエゼキエルが自閉症と診断されました。
家族では、初めてです。
資料を探していたときに、児童書には特別支援を必要とする黒人の登場人物がいないことに気づきました。
「私の息子はもうすぐ5歳になります。
4,5年前、絵本は何冊かありましたが、ポスターやフラッシュカードなど絵本以外で使える教材がありませんでした。
どうして黒人の子どもたちの表現がこれほどまでに欠如しているのだろうと思いました」
オウは、教材の不足が自閉症にまつわる偏見やタブーを強めていると言います。
「英国では2020年に出版された本のうち、少数民族が主人公の本はわずか7パーセントでした。
黒人の場合はさらに少なく、特別支援を必要とする黒人の場合はさらに少なくなります。
子どもが本を読んだり聞いたりできる年齢になれば、違いや自閉症について教え始めるにも十分な年齢です」
執筆している本については、オウは息子とその友人たちからインスピレーションを得て、自閉症は決して恐れるべきものではないことを示すものだと言います。
「息子のエゼキエルが他の子と同じように長所も短所もあることを理解してもらうために、何よりもまず、エゼキエルの特徴を紹介することが大切だと思います。
エゼキエルは注文するのは得意だけど、話すのは苦手かもしれません。
私は、自閉症は恐れるべきものでも、怖がるべきものでもないことを示したいのです。
ただの違いなんです」
また、この本が子どもたちの教育に役立つことを願う一方で、大人たちにも自閉症について知ってもらいたいと考えています。
「この本は子ども向けと言いましたが、正直なところ、大人向けの本でもあります。
子ども向けと言いながら、大人向けでもあるんです。
大人が理解せず、子どもたちにうまく説明できないと、無知な世代を増やし続けることになるからです。
そこで私が考えているのは、最後に大人向けのセクションを設け、話のポイントや質問事項を掲載することです。自閉症の意味や、自閉症の人がいたらどう接したらいいのか、などです」
オウは息子が自閉症と診断されたとき、怖さと安心感の両方を感じたと言います。
「怖く思いました。
昨年の今頃の私は、まったく別人でした。
自閉症について、十分な知識がありませんでした。
しかし、自分の子どものこととなれば、話は別です。
やっと彼の行動を説明できるようになり、適切なサポートを受けられるようになったことで、安堵感の波が押し寄せた感じもします」
オウは2017年からウェブサイト「Mums and Tea」を始め、自分の経験を他のママたちと共有することができるようになりました。
「私のプラットフォームには、同じことを経験し、どこから始めればいいのかさえわからない多くの黒人の親たちがいます。
彼らは、自閉症の兆候を見て心配しているものの、黒人のコミュニティでは自閉症はまだタブーであるため、否定しようとしています」
オウは他の人たちを勇気づけ、自閉症の子供を育てた経験を分かち合い、かつてこのテーマを敬遠していた人たちを鼓舞します。
「あるお母さんから、文字通り涙が出そうになるようなメッセージが届きました。
(出典・画像:英Mirror)
英国では、黒人の方のほうが多いとは存じていませんでした。
知らないことによる、誤解や思い込みが妨げになることはよく想像できます。
本当にすばらしい活動をされていると思います。
(チャーリー)