- 自閉症の子どもはイマジナリーフレンドを持つことができるのか?
- イマジナリーフレンドは自閉症の子どもにとってどんなメリットがあるのか?
- 自閉症の子どもがイマジナリーフレンドを持つことで、社会的スキルが向上するのか?
英ヨーク・セント・ジョン大学の新しい研究では、イマジナリーフレンドを持つ自閉症の子は他人の心を理解する能力が高い。
そう、自分の子どもについての保護者が報告していることが明らかになりました。
そして、イマジナリーフレンドを持たない自閉症の子に比べて、社会的スキルが高いことも明らかになりました。
この研究は、同大学の心理学の上級講師、るペイジ・デイヴィス博士が行ったものです。
「イマジナリーコンパニオンを作る自閉症の子」
この研究は、専門家による査読付きの主要な国際学術誌「Autism」に掲載されました。
デイヴィス博士は、イマジナリーコンパニオンに関する研究を専門としています。
2018年に自閉症の子にはできないと広く思われていたにもかかわらず、イマジナリーフレンド、想像上の友人を作ることを発見しました。
定型発達の子の研究では、イマジナリーフレンドを持つ子どもは、他人の心の動きについて考える能力が発達しており、社会的スキルの課題でも高いスコアを獲得していることが分かっています。
今回の研究では、イマジナリーフレンドが自閉症の子にも、「現実世界」での社会的利益をもたらすことを初めて明らかにしました。
イマジナリーフレンドを持つ自閉症の子どもたちは、イマジナリーフレンドを持たない自閉症の子どもたちよりも、他人の心を理解する能力が高く、社会的スキルが高いこともわかりました。
これは、言語能力の有無にかかわりません。
5歳から12歳までの124人(うち女の子は38人)の自閉症の子の保護者が、コミュニケーション、社会的理解、社会的スキルを評価するアンケートに回答しました。
デイビス博士の研究で報告されたイマジナリーコンパニオンの例です。
「ゴースト・バブル」
目に見えない泡の人。話が楽しく、子どもの隣に泡のベッドで寝ます。
子どもが一人なりたいときには、飛んでいってしまいます。
「ニセ・エイダ」
友だちを必要とするときに一緒に遊んでくれます。
学校の友だちの透明バージョン。
「マイキー」
下水道に住む透明な忍者。
毎日遊んでくれたり、読み聞かせをしてくれたりします。
「アンドリュー」
虹色の車を運転し、2段ベッドで眠る透明な少年。
デイビス博士はこう述べています。
「この研究は、子どもが想像上の友人を持つことを親が心配する必要がないことを、さらに証明するものです。
その仲間は、自閉症の子どもたちの社会的スキルの練習に役立ち、その結果、現実世界での社会生活に役立つ可能性があるのです。
イマジナリーフレンドの創造とその潜在的な効果は、自閉症の子においても同様でした。
この研究は、他者の心の理解が自閉症においても全く違うわけではないことを示す、より多くの証拠を提供するものです」
その他、この研究での注目すべき点です。
- この調査の対象となった、自閉症の子どもの保護者のほぼ半数が、自分の子どもがイマジナリーフレンドを持っていると回答
- 今回の研究結果、他者の心を理解することは、自閉症においてもゼロではないことを示す証拠。程度はさまざまである
- イマジナリーフレンドがいる自閉症の子といない自閉症の子の違いがある理由は、定型発達の子と同じなのかはさらなる研究が必要
(出典・画像:英YorkMix)
ニセ・「エイダ」(「バイオハザード」)が私にもいたらいいのにな。
(チャーリー)