- 発達障害や重い障害をもつ家族が社会にどのように貢献できるか?
- 自閉症スペクトラムをかかえる大人が仕事を持つのは可能か?
- コミュニケーションが難しい人がどのようにビジネスを始めることができるか?
ガレージの作業場の外で、暖炉の火がパチパチと音を立てて燃えています。
デボラ・スミスとアンドリュー・スミスは、上司である息子のオースティンの登場を待っているところです。
オースティンは自閉症スペクトラムをかかえ、言葉を発しません。
オースティンは、気が向いたときに仕事を始め、ヘッドフォンで音楽を聴きながらノリノリになります。
「オースティンはCEOなんです
ビジネスマン。
私たちは息子と一緒に働くのが大好きなんです。
息子は準備ができるとこの小屋にやってきて、梱包や配達の仕事をします。
オースティンがこのビジネスの主役なんです」
スミス夫妻には、双子のアンガスとローハン、そして4歳下のオースティンの3人の息子がいます。
オースティンは25歳です
重い障害を抱えています。
スミス夫妻は、オースティンがより広い世界を知り、地域の暖炉と心を温めてくれることを確信しています。
夫妻は市販の着火剤が喘息の引き金になることを知って、香りのない着火剤を作ることを思いつきました。
「でも、それ以上にオースティンにも車を持ち、仕事を持ち、社会に貢献することを望んでいました」
そう、ワックスベースのライターを仕分けトレイから出しながら言います。
「私たちは、自閉症の人のための学校、ジャイアント・ステップスに通うために、ここに引っ越してきました」
このビジネスは、裏庭でバーベキュー用の紙皿を使った実験から始まりました。
「ドリューと私で、ストップウォッチとEXCELを使って、着火剤をテストしたんです。
とても楽しかったです。
秘密のレシピは言えませんが、とてもよく、匂いもなく、紙のパッケージはすべて燃やすかリサイクルすることができます」
口コミで、タスマニア全域、南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州にも、商品を出荷しています。
しかし、ビジネスの成長も利益も大きくは望んでいません。
「決して大企業になる必要はないのです。
息子のオースティンのことを、地域の多くの人に知ってもらい、評価してもらうための手段であればいいのです」
ようやく到着したCEOは、さっそく仕事に取りかかりました。
オースティンは大柄で、優しい雰囲気です。
その場にいる全員と無言でハイタッチをし、荷物をまとめ始めました。
これからオースティンの車で、顧客と支援者のもとに4つの袋を届けることになっています。
言葉を発しない障がい者は、しばしば見えなくなることがあるといいます。
「一軒一軒配達することで、オースティンが見えるようになるんです。
そして、言葉の通じない人と交渉している姿を見るのは美しいことです。
オースティンのお客様は、関わることでスキルや方法を身につけていきます。
私は母親ですが、息子は今まで会った中で最も素敵な男の一人です。
息子は厄介な世界で最善を尽くしている人間なんです。
オースティンがいてくれて本当によかったと思っています」
(出典・画像:豪abc)
うちの子も重度の自閉症、知的障害もあり話すことはできません。
難しい世界を生きていると思います。
そんななかで、ときおり素晴らしい笑顔を見せてくれて、見ているこちらも幸せにしてくれます。
いてくれて本当に良かったと私も思います。
(チャーリー)