- 自閉症や発達障害を持つ子どもたちが図書館のイベントに参加するのはどんな体験なのか?
- 図書館が自閉症の人にやさしい場所になるためには具体的に何が必要なのか?
- 家族やコミュニティにとって、図書館で提供される包括的なプログラムがどのような意義を持つのか?
図書館のストーリータイムは、図書館の司書と一緒に絵本を読んだり、歌を歌ったりして、家族で楽しむことができる機会です。
図書館サービス・コーディネーターであるクリスティン・アープにとって、自分の子どもをストーリータイム・プログラミングに連れて行くことは、いつもちょっと勇気がいることでした。
「子どもたちが、私の仕事に大きな影響を与えています。
私の家族は発達障害をかかえていて、自閉症の人とそうでない人が違うこと、図書館のような場所からは遠ざかってしまうことを、身をもって体験しています。
長男はストーリータイムでは走り回って大変でしたし、自閉症の次男も同じことをしていました」
2019年にアープは発達障害などの人向けのサービスを増やすための活動を開始しました。
上司と図書館の管理部門の支援を受け、ハープはチームを結成し、すべての人のための新しい、より包括的なプログラミングの開発に力を注ぎました。
ここ米フロリダ州レオン郡の図書館システムは、米フロリダ州立大学の自閉症関連障害センター(CARD)と提携し、図書館員やその他のスタッフの研修を行い、地元の図書館の分館を「自閉症の人にやさしい図書館」にしました。
1年後、アープは図書館で初めて感覚を使ったストーリータイムを実施し、2021年には自閉症啓発月間である4月に1カ月間「自閉症と神経多様性の祭典」プログラムを開催しました。
今年は、4つの場所で1カ月間、アート展示、家族向けの無料上映会、リソースフェアなど、家族やコミュニティへのリソース提供を中心としたいくつかの大きなイベントを提供します。
「私は素晴らしいチームに恵まれて、小さな夢の種を大きな花に変えることができました」
アープは、幼い頃から本に囲まれて育ちました。
図書館の穏やかな環境が大好きで、あらゆるジャンルの本を読みます。
図書館学の修士号を取得後、成人向けサービスや青少年向けプログラムを担当した後、現在の図書館サービス・コーディネーターに就任しました。
この仕事の醍醐味は、学生を学校のプロジェクトで支援したり、利用者がオンラインフォームに記入するのを手伝ったりと、広くコミュニティに貢献することだといいます。
「私たちはみんなの資源であり、この図書館はみんなのものなのです。
私たちは一日中、どうすればこの地域に貢献できるかを考えています」
Zoomでビジュアルスライドショーを行うストーリータイムもあります。
アープは、ビジュアルを落ち着いた色彩に置き換えることもしています。
絵本の読み聞かせから指人形劇への移行が困難な参加者のために、ストーリータイムの最初に内容を紹介するようにスケジュールも変更しました。
「あるご家族は半年ほど参加されましたが、すぐに娘さんに劇的な変化が見られました。
初めて会ったとき、彼女は私とまったく目を合わせませんでした。
今では、人形を見せたり、その日の出来事を話してくれたり、とても積極的です。
このように誰かの人生に影響を与えることができるのなら、それは素晴らしいことです」
アープの息子も、より包括的になったプログラムで変わりました。
彼は、参加者としてストーリータイムズに参加することはなくなったものの、ユースボランティアとして幼い利用者の手助けをすることが今では大好きです。
ストーリータイムの後に、希望する利用者のために30分間の延長を行う「ステイ&プレイ」プログラムも実施するようになりました。
「この時間帯は、保護者の方とおしゃべりをしたり、さまざまな年齢の子どもたちと一緒に遊んだりします。
年上の子どもたちが年下の子どもたちと交流する機会であり、本当に包括的で受容的な機会です」
そして、アープはこう言います。
「多様性は力です。
このプログラムはみんなのためのものであり、ここはみんなの図書館です。来てくださったすべての方に、楽しい体験をしていただきたいのです」
(出典・画像:米Tallahassee Democrat)
すばらしい図書館、すばらしい取り組みです。
世界中の多くの図書館でもこんな取り組みがされたらいいですね。
(チャーリー)