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幼稚園で自閉症の子の学習を先生と一緒に支援するロボット

time 2021/12/13

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

幼稚園で自閉症の子の学習を先生と一緒に支援するロボット
  • 自閉症児のコミュニケーションスキルを向上させる方法はありますか?
  • 発達障害を持つ子供向けの効果的な教育ツールはどんなものがありますか?
  • ロボットを使った特殊教育の実践例はありますか?

ある幼稚園では、自閉症スペクトラムの子どもたちを支援するために、金属製の関節を持ち、青い目がまばたきする変わった補助教員が採用されています。

それは米コネチカット州に本社を置くMOVIA Robotics社が開発したロボットです。
約20人の幼稚園の生徒が、「ケビ」と名付けられたこのロボットから、形や言葉遣いなどを学んでいます。

このロボットは、発達障害の子どもたちと対話し、コミュニケーションや注意力、感情の理解などの基本的なスキルを向上させることを目的としています。

この公立幼稚園の生徒サービス担当副校長のサラ・ステットソンはこう言います。

「このロボットは有望なツールであることが証明されています
ロボットは人間の顔よりも予測しやすいですし、威圧感や複雑さがありません。偏見もありません。
何人かの生徒はすでにロボットと友だちになっています」

ケビは、接続されたノートパソコンやタブレットを使って、穏やかな口調で話しながらレッスンを進めていきます。

「教師はそばにいますが、ロボットは80パーセントは自動で動作しています。
子どもの行動を見て、ロボットは行動するようになっています」

そう、MOVIA社のCEO、ジェイピー・ボラットは言います。

ロボットは、反応が少ない生徒には、

「がんばっているあなたが好き」
「これは簡単な練習だよ」

そんな声をかけます。

ロボットが「セルフハグの時間だよ」と言うと、生徒は腕を組んでギュッとするように促されます。
授業が終わって、教師はケビに次の活動の合図をするように指示すると、

「昼食を食べようか」

そんなことを言ったりもします。

この幼稚園に関わる特別支援教育チームは、ロボット学習の利点に関する研究の成果を何年も調査してきました。

例えば、2019年の研究では米サウスカロライナ州の16の学校で、ケビのようなロボットをテストし、ソーシャルロボットが自閉症児の学業への適応力を高める可能性があることがわかりました。

しかし、ステットソンは、自分たちの幼稚園に適したヒューマノイド(形状、機能、コスト)を見つけることが問題だったと述べている。
ケビは「キュートでフレンドリー」な候補だったものの、年間の費用が5000ドル(約55万円)かかることが問題でしたが、パイロットプログラム用に3台のロボットを購入し、幼稚園で初めてロボットによる授業を試みました。

自閉症の息子を持つ父親である、このロボットを作った企業MOVIA社のCEO、ボラットとステットソンの出会いは、今年の夏のことです。知的障害者を支援するために作られたロボットをステットソンに紹介しました。

「私たちは、教師やセラピストと幅広く協力して、彼らの個性にあわせたレッスンプランを作成しました」

そうボラットは言います。
MOVIA社は2008年にソフトウェアの開発を開始し、2019年に米国防総省の協力で145校にロボットの初期ロットを配布しました。
その後、学校への配布を拡大し、一般的な幼稚園向けののカリキュラムでは、共有、衛生、マナー、ルールを守ること、身体活動、さらには消防訓練など250のレッスンを提供しています。

MOVIA社では家庭での利用も推進しており、自閉症の生徒が夜に自宅で、学校で学んだスキルを強化できるようにしています。
すでに70の家族が月額199ドル(約22000円)でMOVIAロボットを使用しています。
(この月額料金は、1年経過するとは85ドルに下がります)

ロボットのケビの成功の原因についてはまだ議論の余地がありますが、副校長のステットソンによれば、ロボットは子どもたちのミラーニューロンの活動を活発にし、それによって子どもたちは真似をして素早く学ぶことができるのだそうです。
ある4歳の子は、ロボットのケビと学習を始めて、数日後に新しい言葉を話し始めました。
ボラットは、立体的なものは子どもたちの脳のより多くの部分を活性化すると言います。

「ロボットと遊びたくない子供はいないでしょう」

ロボットは、失読症やダウン症、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの子どもたちにも有効だと考えられています。
また利用されているソフトウェアは近く、スペイン語と日本語にも対応し、英語圏以外の国にも展開される予定です。

ステットソンによれば、今のところ自閉症の子どもたちだけにロボットのケビを使用する予定ですが、将来的には他の発達障害の小学生にもロボットを導入する予定です。

「現在行っているのは、可能性に満ちたパイロットプログラムです。
最も幼い学習者から、ロボット学習を始めましたが、ロボットの能力を最大限に活用できています」

ボラットはこう言います。

「ロボットのケビは決して、人間の教育者に取って代わるものにはなりません。
そして、そうなるべきでもありません。
教育の進歩や子どもたちの反応にロボットが対応できるようにするには、人間の教師が必要です。
ロボットは道具の1つでしかありません」

(出典・画像:米The Boston Globe

これはとても可愛らしいですね、すごく魅力的なロボットです。

日本語化もするとあるので、期待したいですね。

ロボットが知的障害などの人たちの仕事を変え、自尊心も育んだ

(チャーリー)


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