- 自閉症スペクトラム障害の子どもの割合は増加傾向にあるのか?
- 自閉症スペクトラム障害の子どもに対する早期発見の重要性は何か?
- 自閉症スペクトラム障害の割合には地域差があるのか?
米国疾病管理予防センター(CDC)が2021年12月2日に発表した「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)Surveillance Summaries」の2018年のデータについての分析結果によれば、8歳の子どもの44人に一人(2.3パーセント)が自閉症スペクトラム障害と確認されています。
これは、8歳の子どもの54人に一人(1.9パーセント)と判明した2020年3月に発表された前回の値よりも高くなっています。
2018年のデータは、Autism and Developmental Disabilities Monitoring(ADDM)ネットワークから得られたものです。
ADDMはアリゾナ州、アーカンソー州、カリフォルニア州、ジョージア州、メリーランド州、ミネソタ州、ミズーリ州、ニュージャージー州、テネシー州、ユタ州、ウィスコンシン州の11地域で、8歳と4歳の子どもの自閉症の割合と特徴を推定する追跡システムです。
同じ11地域の2014年生まれの子ども(4歳児)を対象とした2つ目の報告書では、自閉症の子どもの早期発見に進展が見られました。
これらの子どもたちは、2010年生まれの子どもたち(8歳児)と比較して、生後48カ月までに自閉症と診断される、または特別支援の対象となる可能性が50パーセント高くなっていました。
CDC先天性障害・発達障害センターのディレクターであるカレン・レムリーはこう言います。
「自閉症の子どもの早期発見が大幅に進んだことは、良いニュースです。
これらのサービスを早いうちに利用することで、子どもたちの学校生活や生活の質を向上させることができます」
ADDMネットワークに参加している11の地域のうち、いくつかの地域では、自閉症と診断されたヒスパニック系の子どもの数が、黒人や白人の子どもよりも少なくなっていました。
また、黒人の自閉症児は、白人やヒスパニック系の自閉症児に比べて、知的障害と診断される割合が高くなっています。
これらの違いは、自閉症の子どもを診断し、サポートするサービスへのアクセスにも関係していると考えられます。
自閉症の子どもの割合や特徴を理解することは、地域社会が自閉症の子どもを早期に発見し、サービスに登録することに役立ちます。
ADDMネットワークの11の地域における自閉症の割合は、ミズーリ州では60人に一人(1.7パーセント)から、カリフォルニア州の26人に一人(3.9パーセント)までの範囲となっていました。
これらの違いは、地域社会が自閉症の子どもをどのように特定しているかによると思われます。
また、自閉症の子どもとその家族に対するサービスが充実している地域もあります。
なお、ADDMは、米国を代表するサンプルではありません。
これまで、ADDMの報告書は1年おきの春に発表されていました。
しかし、2018年にCDCは、医療機関の診断や特別支援教育を受ける資格による自閉症の人たちの識別を直接反映させるためにデータ分析の方法とシステムを更新し、以前の方法と同様の推定値が得られより迅速な結果の公表を可能にしました。
(出典:米国疾病管理予防センター(CDC))(画像:Pixabay)
この割合を多いと考えるか、少ないと考えるか。
いずれにせよ、増加しているとのこと。
適切な支援につながる、増加であれば、それはいいことだと思います。
(チャーリー)