- 発達障害を持つ人が困難を感じる瞬間はどのようなものか?
- ソフィーの作品はどのような効果を持つのか?
- ソフィーの絵画ではどんなテーマが繰り返し登場するのか?
画家のソフィー・バランスは英ロンドンのギャラリーで2度目の個展「Bad at Life (Good at Painting)」を開催しました。
ソフィーが内省の瞬間や視線をそらしたイメージを描くことは、発達障害をかかえる彼女にとっての解毒剤のような役割を果たしています。
発達障害をかかえている方は、発達障害による困難がよくわかるはずです。
周りの人にはわかっているのに、自分はルールを理解するのに苦労しているように感じることがあります。
この状況を逆転させるために、ソフィーの作品は彼女の目を通して世界を見るように誘っています。
ソフィーの作品では、鑑賞者は彼女の視点から彼女の世界を見るように誘われますが、そこに参加することは許されません。
むしろ、永遠のアウトサイダーとして、まだ説明されていない一連のインサイド・ビジュアル・ジョークを目の当たりにすることができるのです。
これが、発達障害をかかえて世の中を生きていく人の効果的なシミュレーションになっています。
これらのビジョンには、ソフィーの人生のシーンや記憶が歪められ、誇張されて新しく解釈されて表現されています。
飼い猫は不自然な色のトラやヒョウに姿を変え、不安はジャングルやレストランバーの影に潜む本物のモンスターとして表現されています。
しかし、彼女の絵は絶望に満ちているわけではありません。
発達障害と一緒に暮らしていると、確かに苦労や困難がつきものですが、ソフィーは喜びや静けさの瞬間を表現することで、それに対抗し、発達障害をかかえることがどのようなものかをより体験させてくれます。
ハンバーガーを一口食べる前に立ち止まる人や、タバコを吸いながら前腕の感触を楽しむ人など、ソフィーの絵画には「静けさ」もテーマとして登場します。
これらの瞬間は、彼女の絵画の中で捉えられ、不滅のものとなります。
また、油絵具を厚く豪華に塗り重ねることで、ソフィーが創作中に経験している喜びの感覚をさらに高めています。
また、ソフィーの絵画には、アイコンタクトの欠如というテーマが繰り返し登場します。
この特徴は、自閉症の初期症状としてよく見られますが、ここでは、視線をそらしたり、サングラスやまぶたで目を隠したりすることで表現されています。
ここでも、見る人をソフィーの立場に立たせ、外部の人間に見られているような感覚を与えることができます。
ソフィーの最近の展覧会では、作業用の椅子と、コーヒーで汚れた猫の毛がついたラグが、制作の物理的な余韻を示すインスタレーション作品の中心として展示されました。
それは、作品やアーティストの存在を振り返るためのもうひとつの手段としても機能しています。
(出典・画像:英CREATIVE ROOM)
自分のものではない視点で世界を見ることは、楽しく、そして発見をもたらしてくれます。
今後も素晴らしい作品を描いて、ますますのご活躍を期待しております。
(チャーリー)