- マインドフルネスの効果は自閉症スペクトラム障害のQOL改善にどのような特異的な効果をもたらすか?
- 自閉症の人の精神的QOLは年齢や性別によってどのように変化する可能性があるか?
- 自閉症の人にとって、マインドフルネスとリラクゼーションはどちらが生活の質向上により有効か?
マインドフルネスが自閉症スペクトラムに特有のストレスに対処するのにも有効だということを米アリゾナ州立大学の健康ソリューション学部のブレア・ブラデン助教授が発見しました。
自閉症と脳の老化研究を行っているブラデン助教授こう言います。
「当初、私の研究室では、加齢が自閉症の人の認知レベルにどのような影響を与えるかを研究していました。
そしてわかったのは、生活の質に影響を与えるような、うつや不安、身体的な健康状態などに、自閉症の人に共通した問題があることです」
“Quality of Life Research”誌に掲載された論文で、ブラデン助教授らは自閉症の人の生活の質に影響を与える要因をよりよく理解するために、2つの研究について詳細に説明しています。
自閉症の成人はそうでないと比較して、体の健康と幸福感が低下していることが研究で示されています。
そして、年齢と性別がそれに関係していること、マインドフルネスとリラクゼーションが自閉症の人の生活の質を向上させることがわかりました。
さらに、マインドフルネスは、自閉症の人が自分の障害に伴う制限をどのように捉えるかという点において、リラクゼーションにはない特別な効果をもたらすこともわかりました。
最初の研究では、性別と年齢の影響を評価するために調査を行いました。
自閉症スペクトラムの67人とそうでない66人が、身体的および精神的な健康についての質問に回答しました。
その結果、自閉症の人は男女ともに、そうでない人に比べて精神的なQOL(生活の質)が低いことがわかりました。
さらに自閉症の女性については、そうでない人に比べて身体的なQOLが低いこともわかりました。
「この調査結果は、自閉症が少女や女性にどのように現れるかということと一致しています。
女性は全体的に大きな負担を背負っているようです」
しかし、興味深いことに、自閉症の人では年齢の高い女性は、男性よりも精神的な健康状態が良好であると報告していることも分かりました。
もうひとつの研究は、自閉症の人の生活の質に対しての、マインドフルネスに基づくストレス軽減(MBSR)の支援と、リラクゼーションによるの支援の効果を比較するものです。
MBSRの支援を受けた人は、訓練を受けた実践者からマインドフルネスのテクニックを教わっただけでなく、テクニックを実践する時間も与えられました。
リラクゼーションの支援を受けた者は、国立衛生研究所からリラクゼーション技術に関する情報を提供されました。技術を実践する時間は与えられていません。
その結果、自閉症の人における障害関連QOL(障害の身体的および精神的健康の両方の側面を含む)の改善について、どちらも精神的健康関連QOLを改善しました。
そして、MBSRの支援はリラクゼーション教育の支援を上回りました。
また、自閉症の女性については、自閉症の男性と比較してどちらも、身体的健康のQOL全般の改善に有効でした。
ブラデン助教授は、男女間の結果の違いについてこう言います。
「マインドフルネスが一般的にどのように作用するかという心理社会的メカニズムに関する研究がいくつかあります。
マインドフルネスの効果を向上させると考えられている開放性や共感性などの性格特性に関しては、一般的に女性の方が男性よりも高いスコアを出す傾向があります」
研究チームはいくつかのことを結論づけることができました。
- 自閉症スペクトラム障害の男性と女性では、QOLが同等に低下するわけではなく、障害に伴う困難は生涯にわたって変化する可能性がある
- マインドフルネスもリラクゼーションも、自閉症スペクトラム障害の女性の身体的QOLの向上に有効である可能性がある
- マインドフルネスによる支援は、自閉症スペクトラム障害の男女の精神的、身体的QOLの改善に特異的な効果を示す可能性がある
研究チームは、これらの知見が拡大され自閉症スペクトラム障害の人の生涯にわたるQOLを改善するために、これまでの支援に組み込まれることが理想だと伝えています。
「今回の結果は、自閉症が成人にどのような影響を与えるかを、年齢や性別に基づいて考える必要があることを示しています。
また、今後の支援においても、個別化医療のアプローチが必要であると考えられます」
うちの子のような重度の自閉症で知的障害もかかえていると、マインドフルネス、瞑想しようといっても、正直無理です。
気に入った音楽がかかると、体を動かして夢中になっているので、これが代わり?になるのかなと思っていたりします。
学校のマインドフルネスで発達障害の子が衝動を制御できるように
(チャーリー)