- ADHDと片頭痛にはどのような関連性があるのか?
- ADHDと片頭痛をかかえる人に現れる身体的な症状は何か?
- ADHDや片頭痛をかかえる人が日常生活で注意すべきことは何か?
ADHDの人には、集中力の低下、身体の過剰な動き、衝動性、気が散りやすいなどの症状が見られます。
また、行動上の問題だけでなく、片頭痛などの身体的な症状が出ることもあります。
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、注意や行動を制御することが困難な慢性的な発達障害です。
米国では約600万人の子どもたちがADHDと診断されており、男の子の方が約2倍の確率で診断を受けています。
片頭痛は、米国で約4000万人がかかえている一般的な神経疾患です。
繰り返し起こるズキズキとした頭痛で、しばしば視覚障害、吐き気、嘔吐、めまいなどを伴います。
ADHDをかかえていると、片頭痛の症状が出やすくなります。
例えば、2010年に行われた1000人以上の人たちを対象とした研究では、ADHDの人は片頭痛を経験する可能性が2倍以上高いことが指摘されています。
さらに、5671人の子どもを対象とした2017年の大規模な研究では、研究者たちは、ADHDの症状の程度と片頭痛の頻度が直接関係していることを示しました。
また、2018年にデンマークで行われた研究でも、ADHDと片頭痛の関連性が確認されています。
この研究では、臨床的に検証された質問票を用いて26000人以上の片頭痛とADHDを評価し、その結果、2つの症状の間に強い関連性があることがわかりました。
また、年齢と性別の間にも大きな相互関係があり、ADHDと偏頭痛の両方をかかえる可能性は、女性で高齢であるほど高くなっていました。
しかしまだ、ADHDと片頭痛の相関関係の原因は完全には理解できていません。
多くの要因が影響を与えています。
例えば、女性は男性よりも頻繁に片頭痛を経験する傾向があり、これはホルモンの変動によるものである可能性があります。
ADHDと片頭痛の関連性を医師が理解するには、さらなる研究が必要です。
片頭痛の原因となるものを認識し、それを避けることができれば、片頭痛の発生を最小限に抑えることはできます。
一般的な誘因には次のようなものがあります。
- ストレス
- 睡眠時間の変化
- ホルモン
- カフェイン
- アルコール
- 天候の変化
- 食事
- 脱水症状
- 光
- 匂い
これらの誘因は人によって異なるため、誘因となりうるものを特定するために、片頭痛日記をつけるとよいかもしれません。
片頭痛を経験したときには、次のことを記録します。
- 日付
- 時間
- 前兆があった場合
- 症状
- 前兆があったかどうか
- 使用した薬
- 終了時刻
特定の食べ物や活動、その他の要因が片頭痛の引き金になることがあります。誘因がわかれば、それを避けたり、最小限に抑えたりして、片頭痛を予防することができます。
ADHDは、さまざまな心理的症状を伴う発達障害ですが、身体的な症状を感じる人もいます。
ADHDの大人と子どもの両方において、次のような症状もあります。
- 気管支喘息
- 皮膚疾患であるアトピー性湿疹
- 肥満や体重過多
- 乳糖不耐症、過敏性腸症候群、腸管ポリープ、下痢、胃腸炎などの消化器系の問題
- アレルギー性鼻炎(アレルギーによる鼻腔内組織の炎症)
ADHDと身体症状の関連性を完全に理解するには、専門家によるさらなる研究が必要ですが、どうやら「脳腸相関」が役割を果たしているようです。
脳腸相関とは、消化器系と脳の間の物理的・生化学的なつながりを示す言葉です。
腸には脳とつながる何百万もの神経があり、免疫系に影響を与えるバクテリアが生息しています。
ADHDの人は、一般的な細菌のレベルが変化しているため、腸内細菌叢が異なっているようです。
特定の細菌が不足すると、体内でさまざまな反応を引き起こす炎症性サイトカインが過剰に分泌される可能性があることが指摘されています。
ADHDと片頭痛の間には関係があると考えられていますが、関連性については完全には理解できていません。
片頭痛は体を壊す可能性のある病気ですが、さまざまな治療法によって、発症を防いだり、発症後の症状を和らげたりすることができます。
片頭痛の日記をつけて、特定の食べ物、ストレス、天候の変化などの誘因を把握することが必要です。
誘因となるものを避けたり、最小限に抑えたりすることで、片頭痛の発症は防ぐことができます。
(出典:米Medical News Today)(画像:Pixabay)
知りませんでした。
こうした症状もかかえることが少なくないんですね。
こうして知ることが、まず必要だと痛感します。
自閉症の子は睡眠障害だと便秘が多いなど同時に抱える症状の研究
(チャーリー)