- レーストラックでの活動が、自閉症や他の障害を持つ人々にどのような影響を与えるのか?
- オースティンの成功の裏にある困難や苦労は何だったのか?
- オースティンのストーリーが、他の子供たちや家族にどのような希望や勇気を与えているのか?
22歳のオースティン・ライリーは世界で初めて自閉症のカーレースのチャンピオンとなりました。
これまでにも多くの初体験をしてきましたが、彼の成功への道は簡単なものではありませんでした。
父親のジェイソン・ライリーによれば、オースティンは幼い頃、学校などで人と違うことを理由にいじめられてきました。
「オースティンが7歳のとき、ゴーカートのチラシが郵便で送られてきました。
8歳になったオースティンはコースに出て、それから始まりました。
「自由な気分になれる」
そう、オースティンは言います。
オースティンはカートで3つのチャンピオンを獲得し、自閉症の人で初めてスキップ・バーバー・レーシング・スクールを卒業しました。
「コース上では障害になりません。むしろ強みになっているからです」
そう父親のジェイソンは言います。
週末、オースティンはキャンディアン・タイヤ・モータースポーツ・パークのコースを走り、最高時速220キロのスピードを出しました。父のジェイソンは、息子がサーキットを走ることを少しも心配していないと言います。
「人生のあらゆる場面で息子のことを心配していますが、レーストラックでは心配していません。
とても簡単な作業は苦手ですが、レーストラックでは、息子はごく少数の人しかできないことができるのです。
息子はレースをするために生まれてきたのです。
レースは息子が幸せを感じる場所であり、単なる趣味ではありません」
元レーサーのメトッド・トポルニクが、オースティンをレーサーとして見出しました。
オースティンがレースに参加しているのを見て、その後資金援助をしました。
ビジネスマンとして成功しているトポルニクは息子が自閉症と診断されてから、自閉症の人を支援するようになりました。
父親のジェイソンとオースティンはは2015年から、レースでの活躍を学校で伝えることにしました。
初年度には20回のプレゼンテーションを行い、2万人以上の生徒にオースティンのストーリーを伝えました。
ジェイソンは、それがオースティンにも影響を与えたと言います。
「最初のプレゼンテーションはニューオーリンズで行われましたが、彼は体育館に入ることさえできませんでした。
しかし、8週間後には息子はアルバータ州カルガリーのジムに立ち、みんなに話しかけていました。
息子は新しい食べ物に挑戦したり、新しい場所に行ったりもするようになりました」
そうして、「自閉症とレース」プログラムが誕生したのです。
ジェイソンはこう言います。
「障害のあるなしにかかわらず、子どもたちがオースティンのストーリーに反応する様子を見ると、本当に感動します。
子どもたちは、息子が経験しなければならなかった苦労を目の当たりにすることで、自分の人生に変化をもたらすことができるのです。
いじめられているのは自分だけではないということがわかります。
オースティンにできることなら、自分にもできると、子どもたちに希望と信念を与えています」
オースティンは「自閉症とレース」プログラムの目的をストーリーテリングの力を利用して、自閉症への認識を高めることといいます。
オースティンのストーリーを世界に発信することで、教育やインスピレーションを与え、その結果、私たちが接するすべての人に力を与えることを目指しています。
オースティンは、自分のストーリーを世界中に伝え、何千人もの人々にレースを始める勇気を与えてきました。
2020年、オースティンは時速100キロまで3秒で到達するマシンで、ラジカル・カナダ・イースト・チャンピオンシップ・シリーズに参戦しました。
オースティンはスピードに問題なく順応したとジェイソンは言います。
「息子の脳は驚異的な速さで機能します。
なので、スピードはむしろ息子を落ち着かせてくれます」
オースティンはこのシーズン、14レースの全てで表彰台に上り、10レースで優勝しています。
そしてチャンピオンとなりました。
自閉症のドライバーが獲得した初のメジャーチャンピオンです。
「何かを強く望み、懸命に努力すれば、何でも可能になる」
そう父親のジェイソンは言います。
(出典・画像:カナダKAWARTHA411)
自閉症の人に限らず、多くの人に力を与えてくれる存在ですね。
(チャーリー)