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年齢を増すごとに自閉症の子の「実行機能」の差が学校では拡大

time 2021/09/14

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

年齢を増すごとに自閉症の子の「実行機能」の差が学校では拡大
  • 実行機能の問題が学校生活にどのような影響を与えるのか?
  • 思春期において実行機能の問題がどのように悪化する可能性があるのか?
  • 学校環境において自閉症スペクトラムの子どもたちの実行機能を評価する大規模な研究は行われているのか?

米フィラデルフィア小児病院(CHOP)の研究チームは、思考、感情、行動をコントロールする実行機能に障害のある自閉症スペクトラムの子どもたちが、学校では家庭とは異なる課題に直面する可能性があることを明らかにしました。

また、思春期になると、実行機能の問題が悪化する可能性があり、より多くの支援が必要であることが示唆されます。

今回の研究は、このような実行機能の問題が、学校生活においてどのような影響を受けるかを調べた初めてのものです。
本研究成果は、米国の科学雑誌”Autism”に掲載されています。

「実行機能」は、情報を頭の中で整理しておく、柔軟に焦点を変えたり日常生活から抜け出したりする、無関係な情報を無視するなど、さまざまな重要な能力を含みます。

これらの能力は、自閉症スペクトラムの子どもたちに障害があることが多く、その程度によって、学校での成績や、衛生管理や部屋を清潔に保つなどの日常生活を送る能力が予測されます。

介護者が家庭内での実行機能の問題を指摘する一方で、学校関係者が自閉症スペクトラムの子どもの実行機能を評価した大規模な研究はこれまでありません。

CHOPの児童青年精神・行動科学科および自閉症研究センターの心理学者である上席著者のベンジャミン・エリス博士はこう言います。

「学校は、家庭とはまったく異なる場所であり、子どもの実行機能に最も厳しい環境の一つであることは間違いないでしょう。
この研究は、学齢期の自閉症児が異なる環境でどのような影響を受けるのか、また、学校での成功をどのようにサポートするかについて、さらなる知見を与えてくれました」

本研究では、自閉症スペクトラム障害と診断された241名とそうでない96名を含む、6歳から18歳の合計337名の子どもたちを6年以上に渡り調査しました。

研究者チームは、学校と家庭の両方の環境において、実行機能についてのすべての評価が、自閉症の子どもたちとそうでない子どもたちとで異なることを発見しました。

自閉症の子どもたちは、家庭と学校の両方で、注意をそらすことや日常生活から逸脱することが、重要な障害として認識されていました。
それから、自閉症の子どもたちが周囲の環境に適応できるかどうかも予測することができました。

そして、家庭環境では差はありませんでしたが、子どもの年齢が高くなるほど学校環境では、自閉症の子どもとそうでない子どもの間で実行機能スキルの差が広がりました。

この結果は、実行機能の障害が、特に学校生活に関連していることを示唆しています。
学校生活が、自閉症の子を支援するべきより重要な点になると考えられます。

(出典:米フィラデルフィア小児病院)(画像:Pixabay

学校が難しい場所になることはすぐに想像できます。

今回の研究結果は、そこでの支援がより重要なことを示すものでしょう。

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(チャーリー)


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