- 自閉症を持つ人が感情を認識する方法は他の人と異なるのか?
- 自閉症を持つ人がコメディアンや皮肉を理解するのは難しいのか?
- 自閉症を持つ人が感情に左右されることなく行動することにメリットはあるのか?
大学時代のある日、ジョリー・フレミングが介助犬のデイジーを連れてキャンパスを歩いていると、見知らぬ男性が近づいてきて、「あなたはこの動物に残酷なことをしている」と言われました。
「犬が不幸です。
誰かの奴隷になっていいわけがない」
そう主張しました。
それを見た周りの人は、この無神経な発言でジョリーが傷ついてしまったのではないかと心配しました。
しかし、それはジョリーの頭の中に一瞬の思いを浮かばせただけでした。
「とても失礼なことを言われた」
すぐに教室に戻り始めました。
26歳のジョリーは発達障害の自閉症をかかえています。
脳の働きは、特に感情に関して異なっています。
ジョリーは感情を認識し、ある種の環境刺激が彼の中に感情を生み出すかもしれませんが、その影響は普通の人よりも小さいのです。
例えば、大きなクモを見ても、「恐怖を感じる理由が思い浮かばない」といいます。
最近、本を出版しました。ジョリーは自らの心の動きをこう説明します。
「私のことを知ってもらうためではなく、自閉症の人のことを知ってもらい、それが世界を見る上でどのような意味を持つのかを知ってもらいたいのです」
ジョリーは、自分が高校を卒業することも、作家になることも、オックスフォード大学の大学院を修了することもまったく予想しませんでした。
言葉の問題もあり、他の子どもとうまく遊ぶことはできませんでした。
ふにゃふにゃしたものを触るのも苦手で、丁寧に並べたおもちゃの順番を変えられると、何時間も泣き叫ぶこともありました。
5歳のときに自閉症と診断されたジョリーは、8歳のときには母親から家で学ぶようになっていました。
ジョリーは徐々に成長し、最終的には米サウスカロライナ大学に入学し、地理学と海洋科学の学部を卒業しました。
「幼少期から大人になるまでの道のりは、何か特別な突破口があったというよりも、多くの人に気にかけてもらい、助けてもらったという感じです」
そうジョリーは言います。
ジョリーは脳性麻痺と、食べ物を適切に消化できない代謝性疾患もかかえています。
そして、高度な学位を取得していても、ジョリーは言語処理に未だ問題をかかえています。
最近では、母親に「お店に、家で必要なものがあるかどうかちょっと見てきて」と頼まれました。
ジョリーは手ぶらで帰ってきて、「必要なものは全部うちにある」と答えました。
ある種のユーモアを理解するのも困難です。
例えば、ダジャレは好きですが、皮肉はわかりません。
また、コメディアンもあまり好きではありません。
「コメディアンの場合、私はその人を知らないし、その人とは何の関係もありません。
私が笑っても、それには何の意味もありません。
私が知っている人からのものであれば、記憶に残る価値はあります」
現在、サウスカロライナ大学の研究員であるジョリーは、自閉症であることには、感情に左右されないなどのメリットもあるといいます。
「感情によって、攻撃的になるのをたくさん見てきました」
感情が必ずしも良い方向に向くとは限らないことを知っています。
そして、ジョリーの世界への取り組み方は、誰にとっても学べるところがあるといいます。
ジョリーの脳は必ずしも状況に対する反応を読み取って自動的にどうするべきかを教えてくれません。
どのように行動するかを意識的に決定する必要があります。
「私は自動操縦で物事を進めることができません。
常に、自分はどうありたいか考えています。
それは、誰にでもできることで、役に立つと思うことです」
(出典・画像:米NEW YORK POST)
発達障害、自閉症だからこそ、わかること、得意なことがあるはずです。
それはそうでない人たちにとっても、世界を広げてくれるものとなります。
多くの子に見てほしい発達障害の子のアニメ動画。見方が違うだけ
(チャーリー)