- ユニーク・スイーツで働く障害を持つ若者たちはどのようなスキルを身につけているのか?
- ユニーク・スイーツの創始者はなぜこの取り組みを始めたのか?
- ユニーク・スイーツで働く人々が感じる、自分に合った場所やコミュニティとはどのようなものか?
「ユニーク・スイーツ」のキッチンから漂う香りで、店名のスイーツの理由はすぐにわかるでしょう。
しかし、ユニークはわからないはずです。
ユニーク・スイーツで働く、クリスティーナ・トーレスはこう言います。
「私たちが作るお菓子は、特に個性的な人たちによって作られているので、ユニークだと思います。
だから、ユニーク・スイーツなんです」
ユニーク・スイーツでは、このカップケーキのようなお菓子を作り、ポップアップイベントやオンライン、ソーシャルメディアを通じて販売します。
そうして、ここで働く自閉症の若者たちは仕事や社会的スキルを身につけています。
創始者のリザ・キレルはユニーク・スイーツのキッチンには誰もが役に立てる自分の場所があると言います。
「自閉症は人によって違います。
同じ人や同じ経験をする人はいません。
私たちは皆のために何かを見つけようとしていますし、皆が自分の好きなものを見つける機会を持てるように、すべての作業を経験してもらいます」
キレルは、発達障害の息子のセバスチャンが学校を卒業後の就職するまでのギャップを埋めるために、2018年に自宅のキッチンでユニーク・スイーツの取り組みを始めました。
「息子は高校を卒業して市立大学に通っていたのですが、ギャップがあって、仕事に就く準備ができていなかったんです。
私は、息子や息子の友人たちには大きな可能性があると感じていました。
そして、皆で焼き菓子を持ち寄ってパーティーを行ったときに、これをすれば良いはずだと思いました」
セバスチャンはもうキッチンにはいませんが、ユニーク・スイーツで学んだスキルを活かして、仕入れや在庫管理などのバックエンドのプロジェクトに携わっています。
「誰もがパティシエや料理のプロになりたいわけではありません。
しかし、何をするにしても人との関わりが必要になります。
計画を立てる必要があるます。
自分にもできるという達成感と、人生の次の章に生かすことができるスキルを、私たちは一緒にここで過ごすことで得られます」
デビッド・フィゲロアは、自分のアートスキルをカップケーキのデコレーションだけではなく、お菓子のパッケージに飾るオリジナルのテーマアートの制作に活かすことを見つけました。
母親のオメイダによれば、デビッドは言葉を話すことができないために、コミュニティを見つけるのが難しかったと言います。
「私たちは、息子が楽しめることや、できることに焦点をあててくれる人たちを見つけるのに苦労しました。
だからこそ、ここが息子の居場所だと感じられたのです。
息子には未来があります。
息子の自立という点で、私たちの未来をより良く感じることができました」
母親のオメイダにとっても、ユニーク・スイーツが自分の居場所になったと言います。
「私と同じような苦労を経験している人、同じような喜びを経験している人を見つけることができました。
私も大きなコミュニティの一部となれる場所になっています」
クリスティーナ・トレスにとっては、自分だけの味を提供することが成功につながっています。
クリスティーナはユニーク・スイーツでの初めてのイベントを思い出します。
「カップケーキを販売しました。
コキート、ピニャコラーダ、パルチャなどのフレーバーが売り切れになりました。
それを見て、必要とされている場所に自分がいることを感じました」
(出典・画像:米wttw)
「みんな」と同じようになる。
そうではなくて、その人が大好きなこと、得意なことを伸ばす、そしてそれが活きる、輝く場所へつなぐ。
簡単なことではないでしょうが、そうした支援を日本でも、もっとして頂きたいと願います。
(チャーリー)