- 自閉症の子どもを育てる親はどのような精神的な問題に直面しているのか?
- 親が子どもの自閉症によるストレスを軽減するための支援を受ける方法はあるのか?
- 自閉症の子どもに対するサポート体制は地域によってどのように異なるのか?
新しい研究によれば、自閉症スペクトラム障害の子どもを持つニュージーランドの親の多くが「疾患レベルの精神医学的苦痛」に苦しんでいます。
ニュージランドの国立オークランド工科大学の研究によれば、自閉症の子どもの親の3分の2が年齢、収入、教育、人間関係の状態に関係なく影響を受けており、不安を大きくかかえていることがわかりました。
研究チームは自閉症スペクトラム障害の子どもを持つ650人以上のニュージーランドに親に質問をしました。
アスペルガー症候群と呼ばれる高機能自閉症の子から、常に介護が必要な重度の自閉症の子の親を含みます。
その結果、自閉症の子の親の66パーセントから72パーセントが、精神疾患と診断される基準を超えていました。
不安障害がもっとも多く、体性障害 (明確な原因がない物理的な症状と痛みの固定化)、社会的機能不全とうつ病と診断できる状態が続きました。
「多くの親に自閉症の子を育てることにともなう負の影響があります。
それは一般的だといえます」
擁護団体、自閉症ニュージーランドの最高責任者のデーン・ドーガンは、自閉症の子を育てる親の3分の2が精神衛生上の問題で苦労しているということは、驚くことではないといいます。
「幸運にも支援を受けることができた人たちの多くの親も、支援は子どもに行われるもので、親にはありません」
なお、この研究の結果では、子どもの自閉症の重症度と親の精神的健康との間にはわずかな関連性しかありませんでした。
それについてドーガンはこう言います。
「重症な子どもほど手厚い支援を受ける傾向があり、親のストレスの一部を軽減してくれます。
一方、重症でない子どもでは、それほど手厚い支援ではなくなります」
慈善団体の「自閉症とともに」のナショナルマネージャーのキャサリン・トレゾーナは、ニュージーランドでは自閉症の子と親への支援は最小限にとどまるものだと言います。
「残念なことに、ニュージーランドではどこでも足りていません。
診断を受けるためにも、長く待つ必要があり、
支援の必要性を評価する機会にも、長く待たされます。
とくに農村部や孤立した場所では、適切な支援が不足しています」
今回の研究チームは、そうした支援の状況から起きる負のスパイラルにより、起きている親のストレスや不安に貢献することが目的にしたいと述べています。
「今回の研究調査から、親の精神的な健康と自閉症の子どもの症状と問題行動との関係を理解したうえでの療育を考える必要があります。
今回の研究調査でこう言う親もいました。
親たちには、問題に対処するのに役立つ無料のカウンセリングサービスを提供する必要があるでしょう。
現在それが提供されていません。長年に渡って望まれているものです」
トレゾーナは親を助けることは、子どものストレスも最小限にできる効果があるだろうと言います。
「自閉症の子どもの70パーセント以上が精神衛生上の問題を経験しています。
それは親にも影響を与え、親の精神衛生上の問題がまた子どもに影響するのです」
(出典:ニュージーランドNewshub.)(画像:Pixabay)
少々つらくなっても、偽りない笑顔に救われることで、幸い私は何ともありません。
しかし、そんな笑顔を見ることができなかったら。
私も親子で負のスパイラルの陥ることが想像できます。
日本にはいろいろ相談できるところがあるはずです。そうなる前に。
発達障害者の7割が精神的問題の経験、2/3は自殺を考えていた
(チャーリー)