- 発達障害を持つ生徒が学校で特別な支援を受ける方法はありますか?
- 自閉症の生徒がテクノロジーを使って学業や社会的スキルを向上させる方法はありますか?
- スマートウォッチなどの市販の技術を使って自閉症の人を支援する具体例はどんなものがありますか?
発達障害である自閉症の生徒にとって、学校で特別な支援を受けることは学業面においても重要です。
さらに、学校に馴染み、受け入れられていると感じることは、特に教室で重要です。
米ノースイースタン大学コミュニケーション科学・障害学部のラルフ・シュロッサー教授は、自閉症の生徒が発達障害などでないクラスメートと一緒に学習するのを助ける新しい指導方法を開発しました。
「私たちは、すでに市販されているテクノロジーを利用することを考えています。
発達障害をかかえる子どもたちは、とくにテクノロジーが大好きです。
Apple Watchのような他の子どもたちが持っているものを使えば、まわりに気にされることもありません」
そう、シュロッサー教授は言います。
特別な指示が必要な生徒には、テキストメッセージもApple Watchに送信します。
送信されるとApple Watchが振動して、目立たないようにしながら、生徒に注意を促します。
「これにより、生徒は困る時間を少なくし、自立することを助けます」
また、Apple Watchは社会的な交流も助けてくれます。
例えば、ランチタイムの時間には自閉症の生徒にクラスメートと会話をするように先生が促すこともできます。
シュロッサー教授らの研究チームは、この技術の一例を撮影しました。
Apple Watchが確かに役に立つのかテストするために、先生が自閉症の生徒にこうテキストメッセージを送りました。
「クラスメートに今日の様子を聞いてみて」
最初にメッセージが送信されたとき、自閉症の生徒はそのフレーズを言うことができました。
シュロッサー教授の初期の研究では、感覚に敏感な自閉症の子どもたちが時計を腕につけることができるかどうか確認しています。
「自閉症の人の中には、帽子やメガネをかけるのが苦手な人もいます。
しかし、腕時計は問題ありませんでした」
シュロッサー教授は、将来的にはこのような技術を使って、教室の中に限らず、自閉症の人たちを支援することを考えています。
たとえば、就職面接の際に、自閉症の人がアイコンタクトを維持したり、他の社会的な合図を覚えたりするのに苦労している場合には、目立たないように腕時計にメッセージを送りアドバイスすることで、うまく乗り切れるようにできます。
また、自閉症の人たちを支援するための同様のプロジェクトに取り組んでいる米ノースイースタン大学のマシュー・グッドウィン教授と協力して行いたいと考えています。
グッドウィン教授の研究チームは、暴力的なパニックを起こす前の生理的変化をモニターする手首に装着する装置を開発しています。
これは、心拍数の増加、発汗、皮膚の温度、腕の動きなどの生理的変化から、パニックを起こす前に保護者に警告をすることで、パニックが起こらないように対処できるようにします。
「現在のスマートウォッチにはマシューが取り組んでいるようなセンサーは搭載されていません。
しかし、将来はスマートウォッチでこれができるようになることを願っています。
例えば、心拍数の上昇をモニターすることができれば、コミュニケーションや視覚的なサポートの技術を使って自閉症の人をを落ち着かせることができるかもしれません」
(出典:米ノースイースタン大学)(画像:Pixabay)
特別な機器ではなく市販されている機器を利用できれば、
安い、まわりから変な注目もされない、
大きなメリットがあります。
スマートウォッチに限らず、スマホやワイヤレスイヤホン、スマートスピーカー、たくさん使えそうなものが今はあります。
こうした取り組みがどんどん進んでいくといいですね。
保険適用に向け進められている米スタンフォード大の自閉症グラス
(チャーリー)