- 自閉症の人が感覚過敏や感覚鈍麻になることはありますか?
- どのようにして自閉症の感覚問題が調査されているのですか?
- 自閉症の感覚問題に対する治療方法はありますか?
発達障害である自閉症は、社会的スキル、反復行動、言語の困難などの特徴をもつ、それぞれの人で症状が異なる状態を指します。
米国疾病予防センターによれば、アメリカでは54人の子どものうち一人の子どもが自閉症をかかえていると推定されています。
そして、自閉症の人の多くは感覚にも問題をかかえています。
新しい研究では、末梢神経系(触覚、痛み、その他の感覚をコントロールする神経)が自閉症に大きな影響を与えている可能性があることが示唆されました。
アメリカ神経学会のフェローでもある国立台湾大学病院のスンサン・シエ医学博士はScience Dailyでこう説明しています。
「自閉症の人の70%以上が感覚に問題をかかえています。
軽く触っただけでも耐えられないと感じる人もいれば、足の切り傷に気づかない人もいます。
大規模な研究でこれらの結果を確認することができれば末梢神経系の自閉症における役割を理解するのに役立つ可能性があります。
そして、自閉症の人のほとんどが経験している、これらの苦痛となる感覚の問題を治療できるようになるかもしれません」
平均年齢27歳の自閉症の32人の男性と、比較対象として、自閉症や末梢神経に問題をかかえていない平均年齢33歳の27人の男性と女性がこの研究に参加しました。
参加者は、感覚症状に関するアンケートに回答しました。
皮膚の生検を含めた感覚神経の検査が行われ、神経の細い線維に損傷がないかどうかが調べられました。
そしてさらに、皮膚に熱を与え、神経が熱にどのように反応するかを神経から発せられた電気信号により調べました。
その結果、自閉症でない人たちでは全員が正常でしたが、自閉症の人たちの53パーセントは神経線維の密度が低くなっていました。
「これは神経発達が退行していることが示唆されます」
そうシエ博士は言います。
この研究の結果によれば、神経繊維に減少が見られない人については触れられることを嫌う可能性が高くなっていました。
一方で神経線維に減少が見られる人は裸足で歩くことを好み、傷やあざができていることに気づかないことが多くありました。
「これは、神経が自閉症に影響を与えていることを示しています。
熱や他の感覚を感じるための閾値が他の人よりも高い、末梢神経障害の状態の人たちと同様です」
しかし、この研究は参加者数が少ないものであることを考慮するべきでしょう。
(出典:米BIG THINK)(画像:Pixabay)
うちの子はどちらかといえば鈍感です。
これ痛くないの?と思う状態でも全く気にしていません。
ふだん落ち着いてニコニコしているのも、その鈍感のおかげかと思いますが、
その分、いつも傷などがないかは注意しています。
(チャーリー)