- 自閉症の子どもたちはなぜボールをキャッチするのが難しいのか?
- 予測コーディング理論とは何か?
- 運動を使った療育は自閉症の子どもにどのような効果があるのか?
新しい研究によれば、自閉症の子どもたちはおそらくボールの軌道を予測することができないために、自閉症でない子どもよりもボールをキャッチすることが困難です。
この研究は”the 2021 Society for Neuroscience Global Connectome”で発表されました。
この研究結果は次に起こることが予測できない、例えばボールが移動する可能性が高い場所、相手がどのように動くかなどを予測できない、自閉症の特徴の根底にはそうしたことがあるとする「予測コーディング理論」を支持するものです。
この理論が本当であれば、運動を使った療育は、日常生活で必要となる予測するスキルを向上させる可能性があります。
そう、この研究を行った米ノースイースタン大学の生物学のダグマー・スターナド教授は言います。
研究チームはまず、自閉症の子どもたちはボールの速度に関係なく、自閉症でない子どもに比べてボールをキャッチすることが有意に少ないことを確認しました。
次に、子どもたちの手がボールに向かってどのように動いたかを追跡しました。
自閉症のない子どもの場合、手の速度はボールと接触する直前にわずかに遅くなっていました。
これは、彼らがボールの軌道を正確に予測し、ソフトな衝撃でボールを迎撃することを示唆しています。
自閉症の子どもたちは、逆にボールに向かって加速していることがわかりました。
「自閉症の子どもたちはボールがどこに着地するのか直前までよくわかりません。
そのために、直前になってボールに向かって手を出す結果になるのです」
多くの場合で、自閉症の子どもたちの手はその結果、ボールに当たってしまいキャッチすることができませんでした。
子どもたちの体幹と腕の筋肉の活性化も、その動きを示しました。
自閉症でない子どもたちは、ボールとの接触を作る前に彼らの筋肉を最も強く、500ミリ秒間反応させていました。
しかし、自閉症の子どもたちは、ボールが来ていることを予測できていないかのように、そうした反応はありませんでした。
研究チームは子どもたちの予測を含まない運動についての反応時間についても調べましたが、自閉症の子どもとそうでない子どもとで、違いは見られませんでした。
「ボールのような動く物が関係しない場合には違いはありませんでした」
うちの子もまさにそうです。
最近はキャッチできるようになってきましたが、本当に苦手。
動きは全く予想できていない感じで、自分の体にボールが当たってから手が動くという感じでした。
「予測スキル」には問題をかかえているようです。
(チャーリー)