- 空港が特別な支援を必要とする乗客に対してどのような配慮をしているのか?
- 目に見えない障害を持つ乗客がバタフライ・エフェクト施設を利用するときに受けられる支援は何か?
- 空港スタッフは目に見えない障害を持つ乗客にどのような教育を受けているのか?
空港は騒がしいだけでなく、セキュリティチェックや質問をされることも多く、多くの人にとって簡単ではない場所になります。
発達障害のような、目に見えない障害をかかえる人は恐怖を感じ、パニックを起こしてしまうこともあります。
マレーシア空港はこのような人たちに配慮し、空港をよりフレンドリーで優しい場所にするための取り組みを始めています。
「バタフライ・エフェクト」と名付けたこの取り組みは、ある状態での小さな変化が後の状態に大きな変化をもたらすという同名の理論にインスパイアされたものです。
これは、空港の機能を理解する体験を提供するだけでなく、リラックスし特別で大切にされていると感じられるような、大切な体験を提供することも目的にしています。
マレーシア空港グループの最高経営責任者デタック・モド・シュクリエ・モッド・サレはこう言います。
「マレーシアでは、少なくとも625人に一人の子どもが自閉症だと推定されています。
世界的に見ても、自閉症スペクトラムの子どもの数は増加傾向にあります。
このような特別なお客様だけでなく、そのご両親や保護者の方にとっても、空港内を移動することが負担になることを私たちは理解しています。
そこで今回の新施設では、ご家族の負担も軽減し、特別なゲストが安全で落ち着ける空間を提供したいと考えています」
空港には、目に見えない障害を持つ乗客のための「バタフライ・エフェクト」の施設やサービスが用意されました。
目に見えない障害とは、自閉症、失読症、感覚処理障害、ADHDなどの発達障害、神経学的な障害のことを指します。
空港にいる人たちがわかるように、特別な識別用のしるしが含まれたバタフライ・キットが与えられます。
特別なニーズに対応するために、チェックポイントの担当者が柔軟性をもって、より長い時間で対応します。
それだけでなく、カウンターでの優先レーンと同様に、ターミナルの入り口から特別なアクセスを与えられます。
また、これらの乗客が旅の間、介護者と離れ離れにならないようにすることにも重点が置かれます。
ターミナルビル全体に設置された落ち着ける部屋と感覚に優しい壁を利用することができます。
落ち着ける部屋は安全な空間です。
感覚に優しい壁は、感覚的なフィードバックとインタラクティブな探索を促す反応をします。
マレーシア空港では、目に見えない障害を持つ乗客の見分け方やケータリングについて、自閉症行動センターと協力し、空港スタッフにこれらの障害の見分け方や特別なニーズを持つ人へのサポート方法の教育を行っています。
空港のスタッフには、政府機関、航空会社、ビジネスパートナーなど内外の関係者が含まれています。
スタッフは、目に見えない障害を持つ乗客の識別、自閉症の特性とその診断基準の学習と識別、パニックを起こしてしまった場合の家族への対応と支援、そのような人のニーズに関連した特別なルートとエリアの確保について教わります。
安全、監督、宿泊施設などに関連する事項でも、自閉症の家族をサポートするための手順が教えられています。
マレーシア空港は、将来的にはすべての空港でこの「バタフライ・エフェクト」の取り組みを実施と、関係機関との協力の上、このような特別なグループの乗客に対応するための空港周辺施設の改善と追加もしていきたいと考えています。
(出典・画像:マレーシアNEW STRAITS TIMES)
空港を利用する人が少なくなっている今だからこそ、こうした整備もしやすいかもしれません。
空港だけでなく、こうした取り組みが進むといいですね。
発達障害などに関わらず誰もが一緒に遊べる感覚に配慮された公園
(チャーリー)