- 自分が大人になってから発達障害や自閉症と診断されることはあるのか?
- なぜ、自分の子供の頃の困難が自閉症や他の発達障害と関係しているのか理解することは重要なのか?
- 発達障害や自閉症を持つ女性や女の子は診断を受けるのが難しいのか、そしてそれがどのような影響を及ぼすのか?
エミリー・ラブグローブ博士は71歳で自閉症と診断されて、子どもの頃を思い出し涙を流しました。
エミリーは自分が自閉症であると言われて動揺していたのではなく、これまでの人生の困難の理由がわかったことに動揺しました。
エミリーが子どもの頃は、自閉症は知られていないか、完全に誤解されていたといいます。
学校で苦労したのは、世界を人とは違うように見ていたからでした。
エミリーが自分は自閉症かもしれないと思ったきっかけは、エミリーの娘が40代になって自閉症と診断されたことでした。
その3年後、エミリーは74歳で自閉症と診断されました。
自分の人生に起きたことが明確になってうれしかったといいます。
しかし、そう診断されることは自閉症かもしれない人のすべてにとって、正しいことではないかもしれません。
「私が子どもの頃は、自閉症は重度の学習障害だと考えられていました。
今は正しく定義され、理解されるようになりました。
私は診断を受けるかどうか、長い間ずっと考え、最終的に私はそうすることにしました」
面談と性格検査を数回行った後、エミリーは自閉症と診断されました。
「私は悪くないし、怒ったり悲しんだりもしていません。
子どもの頃はとても困難が続きました。
父からは、正常でないと言われていました」
エミリーの自閉症の特徴の一つとして、両親ともアイコンタクトができませんでした。
「私の父は私を拒否しました。
学校では、私はいつもグループの外にいました。
友だちになった子は私をいじめました。
自閉症と診断されて、私の困難の理由は私が悪かったのではなく、私の脳のタイプが違って性格も違ったことだとわかって、安堵しました。
しかし、私が完全に自閉症であったのに、理解されなく私の困難が続いたのは、自閉症が知られていなく理解されていなかったからです。
私の子ども時代を振り返ってみると、今では虐待とみなされるであろうことがたくさんありました」
エミリーは、自閉症の女の子と女性は正しく診断される可能性が低く、そのためにうつ病や他の精神衛生上の問題をかかえる可能性が高いと考えています。
そして、学業的に賢い女の子、男の子であれば問題視されないために診断を受ける機会も少なくなります。
また、女の子や成人女性は、これまでの自分と同じように他の人と同じようなふりをすることによって「仮面」を作るのが得意なのかもしれない、相手の表情を読み取るのが難しいことを隠すために、大きなプレッシャーを感じてもいるはずだとエミリーはいいます。
「私は相手の表情が何なのか、何を意味しているのかさえ分かりません。
表情を読むのが苦手なんです。
私は心理学者なので、顔の表情についての本を読んで理解しています。
しかし、本当は自分では認識できていません。わからないことが多いです。
私が話していることで、相手が目を丸くしても、見逃してしまいます」
エミリーと夫には3人の子どもがいます。
3人とも成人してから1人は自閉症、1人はADHD、1人は失読症と診断されています。
それらの状態が理解されていなかった時代に学校生活を過ごしたために、子どもの頃はわかりませんでした。
エミリーは自閉症であることには利点もあると言います。
そのうちの一つは、直接的で正直だということです。
「私は結婚する前に夫に尋ねました。
『浮気をしたいですか?』
自閉症である夫もすぐに答えました。
『はい』」
(出典・画像:英WalesOnline)
支援が必要な人に適切な支援がなされるために診断が必要だと考えます。
そう診断されたいと願って、ずっと受診を続ければいつかはそう診断されることもあるように思います。
なので、その年齢まで立派に過ごされてきたのなら、そんな診断は必要ないのではないかとも思いますが、
長く自分、自分の人生に影響を与えてきたことをはっきりさせたい強い願いも想像できます。
(チャーリー)