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理解されずに自閉症の妹は解雇された。それが私の起業した理由

time 2020/12/25

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

理解されずに自閉症の妹は解雇された。それが私の起業した理由
  • 自閉症の人が持っている強みを職場で活かすにはどうすればよいですか?
  • 自閉症の人が労働市場で直面する困難をどのように解消できますか?
  • 企業が自閉症の社員を採用する際に注意すべきポイントは何ですか?

マイク・トズナーは自閉症の人たちの強みや違いを称え、それを活かして仕事を見つけるオーストラリアにあるXceptionalのCEOです。

トズナーは、自閉症の妹が指示を文字通りに受けすぎたことを理由に掃除の仕事を解雇されたことに疑問を感じました。
妹は記憶力に優れた優秀な従業員なはずです。
指示には正確に、そして決意を持って従っていたことをトズナーは知っていました。
しかし、その職場では妹のニーズに合わせて小さな調整をすることをしないために、彼女は仕事を続けることができなかったのです。

妹の経験をきっかけに、トズナーはXceptionalを立ち上げました。
自閉症の人を雇って企業にソフトウェアのテストサービスを提供する技術サービス会社としてスタートしました。
しかし、数ヶ月後、企業と求職者の双方に大きな可能性があることに気付き、紹介するサービスを開始しました。

Xceptionalはその後、世界的な大手企業と提携し、Google.org Impact Challengeから100万ドルの資金提供を受け、さらに最近では、Australian Impact Investment Awards 2020で賞も受賞しています。

トズナーがインタビューに答えます。

「Xceptionalのアイデアはどのようにして生まれたのですか?」

2016年、私は香港を拠点にしていましたがオーストラリアへの移住を検討していました。
たくさんの面接をして、自分の次のステップを模索していました。

その時に、自閉症の人たちの仕事探しがどれだけ大変かという統計データを目にしました。
私の妹は自閉症スペクトラムを持っています。
妹に話を聞き、妹の経験を学び始めました。
自閉症の人は、神経型の人に比べて仕事を見つけるのが約12倍大変だそうです。

同じ年に、私の妹は、あまりにも文字通りの指示に従ったために彼女の仕事から解雇されていました。
妹は学校で清掃員として働いていました。

テーブルの清掃をしていたのですが、妹は「工作活動をしたので、テーブルを徹底的に清掃してほしい」と言われました。
その指示を受けて、勤務時間中ずっとテーブルの掃除だけをしていました。
ゴミ箱を空にすることもなく、ホワイトボードを拭くこともなく、先生の机を掃除することもありませんでした。

そして、妹が何を間違っていたかを説明した後に妹は解雇されました。

この人たちには妹の長所を理解することはできないと、私は思いました。

私は40年来、妹を知っています。
時間をかけて妹を理解し、妹の長所を本当に活用すれば、妹は最高の従業員になれることを知っています。

妹のような人たちが持っているスキルを適切に展開し、それを受け入れ、サポートし、ビジネスとうまく調和した形で活かすことができていないと思いました。

「Xceptionalを始めてから、最も大きな学びとなったことは何ですか?」

自閉症の人たちは何もできないか、すごい能力を秘めている、そんな考えもありますが実際にはほとんどどちらでもありません。
自閉症の人たちは、驚くほどの強みを持っていますが、他の人たちと同じように課題もかかえています。

私たちが行っていることは 自閉症の人たちとの仕事の仕方を学ぶことです。

例を挙げると、ある人を職場に配置するときはいつでも、その人のコミュニケーションの好みを聞いています。
彼らはビデオチャットを好むのか、電話であることを好むのか?
そして、そうすることは一緒に働くマネージャーにも喜ばれます。
誰かがどのようにコミュニケーションを好むかを理解することは、今の時代、誰にとっても本当に重要なことです。

また、信じられないほどの困難に直面している人もいます。
800件もの仕事に応募したものの、面接すら受けられない人もいます。

自閉症の人たちが直面している壁があるのです。
その中での粘り強く頑張っていることは、私も謙虚になる教訓です。

「仕事の未来に希望はありますか?」

私たちがやっていることは、意識することから理解することへの変化、そして受け入れるへの変化だと思います。
良いことだと思うだけではなく、実際に採用されている自閉症の人を見ることで、変わることができます。

私がこの仕事をしているのは妹の影響だと言いましたが、私の息子も自閉症です。
息子は9歳です。
10年後には仕事に就くことになるので、息子のことをよく考えています。
また、その間にオーストラリアでは何万人もの自閉症の若者たちが仕事に就くことになるはずです。

私たちは、これまでに企業やテクノロジー分野での成功例を目の当たりにし続けています。

オーストラリアでは発達障害の人は7人に一人います。
そんな多くの人たちが職場から締め出されている現状があります。
仕事をすることを望む自閉症の人たちに、働く機会を提供したいと思っています。

(出典:豪PRObono AUSTRALIA)(画像:xceptional

受け入れる。

それには、まずそうした気持ちが必要ですが、それだけでは十分ではないかもしれません。

変化や行動が求められることもあるはずです。それは簡単なことではないこともあるでしょう。

しかし、そこまでの覚悟のない薄っぺらい、言って自分が気持ちいいだけの受容であるなら、それは求められていません。

発達障害でないように振る舞う訓練はしない。スペシャリスタン

(チャーリー)


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