- 縫い物をすることで、何がムウに可能になったのか?
- ムウは縫い物を通じてどのように自己表現しているのか?
- 自閉症の子どもたちがコミュニケーションをとるために必要なことは何か?
モウ・チーシンは刺繍の世界に自分の居場所を見つけました。
大胆な色、想像力に富んだモチーフ、複雑でありながら整然としたステッチ、これらの美しい刺繍作品を26歳の自閉症をかかえるモウが作っています。
モウは一日中座って縫っていても疲れません。
月曜から金曜までの毎日、施設ののアトリエで、ムウは縫う時間を過ごしています。
シルクの糸と糸の世界に浸りながら、ムウは3~5時間、集中して作業に没頭しています。
「刺繍でなければ、彼は座って1分も黙っていられなかった」
そう、先生は言います。
他の人では数ヶ月かかるのに、モウは40✕50センチの作品を1ヶ月に2枚作ることができます。
モウは2011年にこの施設、サンシャインホームに来ました。
「最初の頃はたびたびパニックを起こし、いつも不機嫌で無愛想でした。
そのため、私たちは彼の感情をポジティブに表現できるようにするために、彼が好きなことを見つけられるよう助けました」
ムウは刺繍に大きな興味をもちました。
最初は、彼はいくつかの簡単なパターンしか仕上げることができませんでした。
先生はインターネットから漫画の画像を探し、それをプリントアウトして、彼が縫うための下書きを描きました。
「自閉症の子どもは、本当に好きなことであれば、よく学ぶことができます 」
簡単なパターンとステッチから、ムウはじょじょに複雑なスキルを習得していきました。
そして、刺繍のパターンは漫画から自然の風景、人物、油絵の題材へと進化していきました。
同時に、刺繍はムウの他の認知能力を向上させるためにも良い訓練となりました。
自閉症の人は自分の世界で生きていて、他人とのコミュニケーションが困難なことが多いものの、別の方法で自分を表現することができます。
ムウは刺繍で自分を表現しています。
「ムウが木を縫う場合、彼はまず木が何であるかを知る必要があり、その後、異なる木の品種を理解し、木が異なる季節に異なる色や特徴を取ることができることを認識する必要があります。
それは、全体的な思考と理解のプロセスなのです。
ムウは言葉で話すことはできないかもしれませんが、縫い目を通して自分自身を表現することができます」
長年取り組んできて、ムウは初心者から経験豊富な刺繍家へと成長しました。
作品も小さなものから、複雑な色使いの洗練された縫製技術が必要となる大きなものへ変わってきました。
今はめったにパニックを起こすこともなく、人に反応することもあります。
「外出したり、人が集まるイベントに参加することも好きです。
先日は親と一緒に、自分の作品が展示されている展示会にも行きました」
ムウは仕事が終わると、スタジオを片付け、糸や道具、布地などを整然と並べます。
その後はパソコンでゲームをしたり、歌ったりしています。
ムウの刺繍の才能は、地域社会や慈善団体からも注目されています。
ムウの針仕事の多くは美術展に出品され、地元企業のホールにも飾られています。
先生はこう言います。
「すべての自閉症の子どもたちが何らかの才能を持っているというのは誤りです。
実際には、彼らは人生を通じて特別なケアを必要とする人たちです。
コミュニケーション能力がなく、統合失調症や知能の低さに悩まされている子もいます。
親にとって重要なのは、自閉症の子どもたちが自分の力で外の世界とコミュニケーションをとれるようになることです。
そして、特別な才能ではなく、幸せな心を持ち続けられるようにすることです」
(出典・画像:中国SHINE)
福祉作業所で作られている刺繍作品などには本当に圧倒されます。
これからもますます素晴らしい作品を作り続けて頂きたいと願います。
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(チャーリー)