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自閉症の人は笑いのツボが違う。弟からそれを学び療育に活かす

time 2020/11/01

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

自閉症の人は笑いのツボが違う。弟からそれを学び療育に活かす
  • 自閉症スペクトラム障害がコミュニケーションと行動にどのような影響を与えるのか?
  • 自閉症スペクトラム障害の人が「皮肉」を理解するのに困難を抱える理由は何か?
  • 自閉症の人にとって、笑いやユーモアの理解や表現はどんな意味を持つのか?

自閉症スペクトラム障害は幼い頃から、マーヤ・ワトキンスの人生に大きな影響を与えました。

マーヤの弟のザックは自閉症スペクトラム障害をかかえています。
また、マーヤは自閉症スペクトラム障害の大人や子どもに社会的な対応や感情を学ぶことを助ける専門家です。

米国立精神衛生研究所によると、自閉症スペクトラム障害はコミュニケーションと行動に影響を与える発達障害です。
社会的なコミュニケーションや人とのやりとりの困難、反復行動が特徴です。
自閉症は、そう診断されても、症状は人それぞれに異なるため、スペクトラム障害といわれます。

幼い頃、マーヤは弟との違いをユーモアの分野で経験してきました。

「ブランコで弟を押していました。
そして、私はつらくなってこう言いました。

『もう、うでがとれそう』

そして、一週間後にまたブランコで弟を押そうとすると弟がこう叫びました。

『やめて、うでがとれちゃう』

弟はまったく文字通りに私の言葉を受け入れていました」

また、マーヤと弟はユーモアの好みも違いました。

マーヤは皮肉など言葉での笑いが好きなのに対して、弟は体を使ったコメディを好みました。

「私の夫は言葉を使うコメディアンで、とても考え抜かれた面白いジョークなどを言って、たくさんの人を笑わせています。
しかし、弟はそれを見ても笑うことはほとんでありません」

しかし、マーヤの夫がスケートボードをして転んで、骨折をしてしまったのを捉えた動画を見ると、弟は大笑いしていました。

「それは、体を使っているからでしょう」

自閉症スペクトラム障害の人を専門とする、病理言語学者のアリ・アリーナによれば、「皮肉」を理解するのに困難をかかえるのは、必要となる背景の情報を認識していないため、また文章を完全に文字通りに解釈してしまうためだといいます。

臨床心理学者のジェイソン・マコーミックは、この解釈の誤りは、自閉症の人の精神的な柔軟性の困難に関連していることが多いといいます。

「ほとんどのジョークにはサプライズの要素があります」

しかし、自閉症スペクトラム障害の人でもそれぞれが違うため、自閉症の人のすべてが苦労しているわけではないことに注意するようにいいます。

マーヤは、弟にもった疑問をきっかけに特別支援の幼児教育に関心をもつようになり、それが生涯のキャリアへと発展しました。

特別支援教育の教室で働いていたとき、マーヤは、即興コメディの指導とパフォーマンスを行っているセカンドシティのロサンゼルス支部に参加しました。

マーヤは、新たに学んだ即興のお笑いテクニックの多くが、自分の生徒に関心をもたせることに成功していることを発見しました。

「私のように、人を笑わせることが目的のお笑いができるように、学ぶことが求められます。

自閉症の子どもたちは、なかなか笑いません。
しかし、私が好きなテレビ番組のセリフを何度も言います。
子どもたちは、それで笑うことはありません。

しかし、私はそれで狂ったように笑います。
すると、子どもたちは考え始めます」

これは、自閉症の人にとってはかなり重要なことにつながります。
誰かの思考や感情を予測する能力です。

「子どもたちは、新しい考えをもちます。そして相手を笑わせようとするのです。
自分でやってみて、面白いと思うことができれば、最高の喜びになります」

マーヤは現在、即興コメディゲームを取り入れた療育を行っています。

(出典:米WHYY)(画像:Pixabay

うちの子は私が笑っていると笑ってくれます。

私もうちの子が笑っていると笑います。

とても幸せなときです。

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(チャーリー)


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