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自閉症/発達障害と知的障害の関係と区別の難しさ、思い込み

time 2020/09/21

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自閉症/発達障害と知的障害の関係と区別の難しさ、思い込み

パトリック・ケリーが5歳で学校に通い始めて間もなく、教師は両親にケリーが特別教育のクラスに属していることを告げました。
ケリーの学業成績は悪く、手を叩いたり、揺らしたり、手首で頭を叩いたり、机を何度も叩いたりと行動も乱れていました。
人が話しかけてきても注意を払っていないように見えることもしばしばありました。頭を横に向けて遠くを見つめていました。

ケリーの教師は、ケリーが知的障害を持っていると思い込んでいました。
その後9歳のときに、学校での健康診断で、目が悪いことがわかりました。

眼鏡をかけたケリーは、わずか2年で英語以外のすべての科目で、成績不振どころかすべての生徒の中で上位の成績をとるようになりました。

彼は教室では、ずっと耳に集中していたのです。
13歳の時に、心理学者はケリーを広汎性発達障害と診断しました。

大学を卒業し現在29歳になったケリーは、米ニューヨークで支援の専門家として働き、自閉症、知的障害、および関連する条件を持つ人たちのコミュニケーション能力と、買い物などの基本的なスキルを学ぶことを支援しています。

そして仕事をしていると、自分のように知的障害があると誤って思われていた自閉症の人たちの話に頻繁に出会います。

「自閉症の人たちが、誤解がとけると本当にうまくいくようになるケースをあまりにも多く見てきました」

そう、ケリーは言います。

「私たちが奇妙な存在であることは否定できません。
しかし、異なる存在であることと、純粋に物事を理解していないこととの間には違いがあります」

かつては、自閉症と知的障害は事実上切り離せないものと考えられていました。
1980年代には、自閉症と診断された人の69パーセントが知的障害と診断されていた。
しかし2014年までには、自閉症の診断基準が正確なものとなったため、知的障害もかかえる人の数字は30パーセントにまで減りました。

自閉症と知的障害の境界線はあいまいで、これらの数字は流動的です。
医師はしばしば、どちらなのかを誤ったり、両方であっても片方だけを診断します。

遺伝子情報も、さらに境界を曖昧にします。
自閉症の遺伝子として同定されているほとんどの遺伝子は、知的障害の原因にもなるからです。

そして、自閉症の研究のほうが資金がつきやすく、知的障害のある人よりも知的障害のない自閉症の人を研究する方が容易であることが多いという事実から、自閉症と知的障害の区別についての研究が進んでいないこと事実もあります。

知的障害とは推論、問題解決、複雑な考えの理解などの認知能力に障害があることを特徴とし、知能指数(IQ)が70以下で診断されます。
一方、自閉症は、主に社会的困難、コミュニケーションの問題、反復的な行動によって定義されます。

しかし、知的障害には社会性の違いを含む一連の発達の遅れがあり、診断を難しくします。

「自閉症と診断するのは、その人の発達レベルに見合った社会的な能力が予想以上に大きい場合に限る」

そうするのが理にかなっていると、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の臨床心理学者のソマー・ビショップは言います。

ビショップは、通常の高校で社会的に苦労していたIQが50の10代の少年を見ました。

彼は研究プロジェクトの一環として行った自閉症の判定で高スコアとなっていました。

一方で、彼の社会的スキルは約7歳の発達年齢程度でした。
自閉症の診断は適切ではありません。

ビショップは彼の母親にそれを伝えました。
しかし、知的障害をかかえていることを告げられたのは母親にはそれが初めてだったといいます。

ビショップはまた、彼女の診療所に来た7歳の少女を診断しました。
その少女は車椅子に乗っており、目で物を追うのがやっとで、話すことも社会的に関わることもできませんでした。
彼女の発達の遅れは乳児と同等で、知的障害でした。自閉症の検査をするのも困難でした。

しかし、彼女の両親は、話せない自閉症の子どもが話せるようになることがある療育のことを知り、少女を自閉症のクリニックに連れてきていたのです。

親や医師のバイアスによっても、知的障害と診断されないことがあります。

親が自閉症の診断を求めることがあるのは、サービスが知的障害のためのものよりも利用しやすく多いからです。

そして、医師は、自閉症の診断についてのほうがよくわかるために、知的障害の診断に確信がもてない場合には、自閉症と診断することがあるとビショップは言います。

「しかし、これは自閉症ではないはずだと断言することはできません。
そのために、その子どもに必要となるサポートが受けられなくなってしまう可能性があるのであれば」

そして、知的障害と診断されることは、自閉症と診断されることよりも多くの汚名を背負うことになるかもしれません。

知的障害をかかえる人たちは、住宅、雇用、その他の領域へのアクセスにおいて差別に直面しています。
社会的排除は知的障害者にとっては、自閉症者よりも極端になることがあります。

また、多くの人たちが知的障害は決して良くなることがないと考えてもいます。
(実際には、知的障害のある人は、自閉症の人に対してよく行われる応用行動分析で改善することも多いのです)

逆に、ケリーは自閉症であるにもかかわらず、知的障害だと誤って診断をされていました。

ケリーは自閉症でなく、知的障害だと誤って診断された場合には、言語や行動に関連する知能に関しての誤った思い込みがその原因の大きな部分を占めているかもしれないと言います。

そして、ケリーのその考えを科学的な裏付ける研究があります。
2007年に行われた38人の自閉症の子どもを対象とした研究では、言語能力を必要とする知能テストに比べて、非言語知能テストの場合であれば、平均して30パーセント高い成績であることがわかりました。いくつかの場合では70パーセントも高くなっていました。

ケリーは知的障害と自閉症についてよりよく把握することで、そうでない人たちが自分のような自閉症の人たちを理解するのに役立つかもしれないと言います。

例えば、ケリーは公共の場所では、パニックになる不安から全く話すことがないこともあると言います。
それは話す能力がないこととは違います。
そして彼が会話の彼の目を見ないときは、アイコンタクトが不快だと思うからであり、相手の話していることを理解できていないわけではありません。

自閉症の人たちは知性と社会性は異なるものと考えているのに対し、自閉症でない人たちはそれらを同じものと考えていると、ケリーは言います。

自閉症の人たちに知的障害があると思い込む傾向は、このような誤解から生じているもので、この誤解はコミュニケーションの改善によって部分的には解決できるはずだとケリーは言います。

(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay

うちの子も重度の発達障害、自閉症で知的障害があります。

知的レベルは1歳から2歳と伝えられていて、話すこともできません。

社会的、コミュニケーションの観点から見れば自閉症でしょうし、全般の知的レベルからすれば知的障害です。

どっちの観点からしても、サポートや療育は現在、特別支援学校などから頂いているものになると思っています。

なので、うちの子については発達障害/自閉症なのか、知的障害なのかを厳格に区別する意義はないでしょう。

重度の発達障害の人の中には伝えられないだけの人がいるのかも

(チャーリー)


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