- 1. 発達障害や特別支援を必要とする子どもがいる場合、周囲はどのようにサポートすべきか?
- 2. 隣人や近隣住民が問題行動を報告する前に、どのようなコミュニケーションやサポートが必要か?
- 3. 児童の安全や福祉を守るためには、どのような対応が最適か?
オーストラリア、クイーンズランド州に住む母親は6歳の息子のパニックで頭がいっぱいになっていました。
そのときに、警官がやってきました。
息子が叫び声を上げるなか、家の外ではパトカーのサイレンが鳴っていました。
息子のサムにもう壁に投げつける物がなくなったことを確認すると母親は外に出て警官のところへ走りました。
母親はショックを受けました。
近所の誰かが息子のパニックの声を聞いて警察に通報していたのです。
「とても動揺しました。
近所の人たちはみんな、私の息子が発達障害であることを知っていました。
私たちが困らせてしまうことがあったら、私たちに連絡してほしいとお願いしていました。
それまでは、警官が来るようなことはありませんでした」
まわりがうるさかったり、人混みなどのせいで息子がパニックを1日に1回は起こしてしまうことを伝えると警官たちはそれを理解し去っていきました。
しかし、母親はまた警察に通報されることが心配でした。
息子が落ち着くと、母親は近所の家をまわり通報した人に話を聞こうと思いました。
最初に最近引っ越してきた隣の家に向かいました。
「その家の人は、すぐに他の家の人が通報したんだろうと非難したんです。
しかし、私にはその家の人が通報したのだとわかりました。
嘘をついているとわかりました」
結局、その隣人はほぼ毎日のように警察に通報し、16回も警察が来ました。
「そのたびに動揺し、そして怒りの感情ももつようになりました。
私はいつも、息子が保護の目的で連れ去られてしまうのではないかと心配しました」
隣人の行動はますますエスカレートしていきました。
ある日、サムがパニックを起こすと隣人がついに家にやってきました。
「息子がうちの壁を蹴っていると、
『そいつをだまらせろ』
そうどなりながら、玄関を乱暴に開けて私の家の中に入ってきたんです。
次の日には、警官が息子の安全を確認するためにやってきました。
私はそのとき、泣きながら夫に電話をしました。
私自身もパニックを起こしていました」
弁護士を通じ、隣人には虚偽の内容で警察に通報することを止めること、今後は法的措置をとることも辞さないことを伝えました。
それからは、不気味な平和が続いています。
しかし、再びまた通報されることを母親は恐れています。
「隣人に報復されることが心配です。
私たちは決して、まわりの人たちを困らせようとしているのではないことを理解してほしいと願っています。
特別支援を必要とする子どもがいる場合には、どうしても防げないときがあるのです。
通報する前に私たちと話をしてもらえれば、こんなことにならなかったかもしれません」
私もずっと通報されるのではないかと心配してきました。
ふだんの私たちを知らない、子どもの泣き叫ぶ声が聞こえる、そうであれば児童虐待だと誤解されるだろうと思ってきたからです。
さいわい、これまで通報されたことはありません。
しかし、不安はずっとあります。
一方で、泣き叫ぶ声が聞こえたら、人はふつうではいられないはずです。
通報したり、苦情を言いたくなる気持ちもよくわかります。
それに、本当に児童虐待の恐れがあるのなら、通報するべきです。
しかし、泣き叫ぶことが無くなったり、近所にまったく迷惑がかからない住宅環境を実現できれば良いのですが、そう簡単にできないのが現実です。
なので、理解いただければありがたいです。
(チャーリー)