ブランドン・ウォーラーにとって、走ることは新世界への勇気を与えてくれました。
それまでウォーラーは見知らぬ人とのコミュニケーションや社会的な交流に多くの問題を抱えていました。
自閉症スペクトラム障害だけでなく、不安障害、強迫性障害、ADHDもかかえているウォーラーは米パラタイン高校に通っています。
パラタイン高校のクロスカントリーチームで一番のランナーになるほど、走ることに夢中になりました。
そしてそれがウォーラーを変えました。
それはウォーラーの目を開き、世界を広げ、そして自信をつけました。
自分にはできる。
ウォーラーはそう思えるようになりました。
「つらいときに外に出て走っていると、ときどき本当に勇気が湧いてくるんです。
今までにやったことのないことにチャレンジする。
チャンスやリスクがあるのは良いことだと感じています」
ウォーラーは先週初めて、代表選手としてクロスカントリーレースで優勝しました。
ウォーラーの成長、これまでに多くの問題を克服してきたこと、そして達成を物語る出来事です。
「走ることで、いろいろなことの理解が深まり、より多くのことができるようになったと思います。
走り終わると、もっと走れると思えます」
今年の夏は、厳しいトレーニングの一環としてウォーラーは定期的に約35キロメートルのトレッキングを行いました。
コーチのクリス・クイックはこう言います。
「ウォーラーは、ただただ走り続けました。
それは彼の本能に従っているようでした。
1日に3回、1日に約32キロメートルを走ることもありました。
一週間では、合わせると160キロメートルを走ることもよくありました。
夜になっても、両親に走って良いか尋ねていました」
ウォーラーは3歳のときに発達障害と診断されました。成長に遅れが目立っていました。
ウォーラーの両親、ネルソンとスーザンはウォーラーが社会的な恐怖心のいくつかを克服できるように、幼少期の早い段階からスポーツをさせました。
バスケットボール、バレーボール、ソフトボール、さらにはフィギュアスケートまで試してみました。
「息子は本当にバスケットボールが好きでした。
とても上手で、スピードもありました。
しかし、ゲームの知的な部分でいくつかの課題をかかえていました。
息子には運動の能力があることはわかりました。
そこで、中学生になってからは陸上競技に取り組むよう薦めました。
その後クロスカントリーをするようになり、夢中になっていったんです」
ウォーラーは、スペシャルオリンピックスでも優勝しています。
しかし、ウォーラーがパラタイン高校のクロスカントリーチームで、障害のない他の子どもたちと一緒に取り組むようになると、それまで見たことのないウォーラーの一面を見ることができたといいます。
「息子が発達障害でない子どもたちと一緒に走ることに挑戦するのを見るのはうれしいことでした。
一方で、息子がかかえる問題にどう対応していくのは心配でした。
しかし、息子はまわりの子どもたちと仲良くなっていました。
それは私たちの予想を裏切るほどで、おどろきました。
大会で優勝すると、息子は本当に幸せになっていました。
この成功は、他の子どもたちと同じように自分もできるんだと、息子に大きな自信を与えてくれました」
ウォーラーは学業では発達障害でない子どもたちとは別のクラスです。
しかし、学業も向上しています。
走ることで得た自信が大きく関係しているとコーチも両親も考えています。
ウォーラーはこう言います。
「走ることの良いところは、瞑想に近いことです。
目の前のことだけに集中して、リラックスできます。
私の感情とエネルギーに良いんです」
(出典・画像:米Daily Herald)
私も短い距離ですが、ほぼ毎日走っています。
瞑想に近い。
私もそう思います。精神面にも良いと思います。
最近は一緒に走る機会がありませんが、うちの子も手をつないで一緒に走るとケラケラ笑っていました。
その笑顔を思い出すだけで、うれしくなってしまいます。
涼しくなったら、また手をつないで走ろう。
(チャーリー)