- 遊び場の設計において重度の知的障害を持つ人たちの非言語的な表現はどれだけ重要なフィードバックとして機能するのか?
- 重度の知的障害を持つ若年成人が自分の欲しいものやニーズについて他者とどのようにやりとりすることができるのか?
- 重度の知的障害を持つ人たちの意見やニーズを直接取り入れることがなぜ重要であり、その実現に向けた具体的な取り組みはどのようなものがあるのか?
25歳のボーディ・ドレファス・バレシは、嬉しいと飛び跳ねたり、手を叩いたり、頭を叩いたりします。
あらゆる年齢層や障害のある人たちの遊び場の設計に、ボーディの非言語的な表現が重要なフィードバックとして利用され、役に立ちました。
これは、重度の知的障害を持つ若年成人が自分たちの欲しいものやニーズについて、人とやりとりすることを実現するのを目的とした、豪ウーロンゴン大学の新しい研究の一環です。
「私の息子や友だちがいつも遊び場を利用する事実を考えると、彼らのニーズを本当に知ろうと取り組むべきだと思いました」
そう、英語・言語学の上級講師、ショシャナ・ドレファス博士は言います。
「私たちは彼らを観察し、最先端の遊び場に連れて行き、遊具で遊んでいる様子を見ます。
彼らがどのくらいの頻度で遊具を利用するか、どの遊具を避けるのかを観察し、さまざまな遊具の写真を見せて、彼らがどのように反応するのかを見るのです」
重度の知的障害を持つ約30人の若年成人がこの研究プロジェクトの一環として、このニーズ調査に参加しています。
研究チームの一員である言語病理学者タリン・ブラッケンは、この研究は画期的だと言います。
「これまでに行われていなかったことです。
重度の知的障害の方についての情報を得るためには、一般的にはその人の家族や介護をしている人に聞くことになります。
ですから、彼らから直接伝えたいことを取り入れようとしているのは、研究では今回が初めてです。
言葉を使わない人の声を聞くのは少し難しいかもしれませんが、それでも彼らの意見を汲み取ることはとても重要です」
この研究で収集されたデータは、2021年に豪ニューサウスウェールズ州ウォロンゴンにあるインクルーシブ・プレイグラウンドの設計に使用される予定です。
ドレファス博士は息子のボーディや彼のような人たちに声を与えることになることを願っていると言います。
「障害者のなかでも、重度の知的障害者は忘れ去られている集団だと思うことがあります。
重度の知的障害者の相談に乗れるようになるだけでなく、彼らが遊べる大人サイズの遊び場が増えることも願っています」
研究チームの一員である作業療法士のケリー・ホルヴァットは、同様な聞き取りのプロセスを、将来的にはオーストラリア全土の公共インフラの設計に役立てたいと言います。
「もし私たちが対象とする人に向けて、何かを作ろうとするのであれば、どうしてその人たちに尋ねないのでしょうか?
何を望んでいるのか、何を得たいのか、尋ねればいいでしょう。
今回の研究は、そうしたことです。
うまくいって、サンプルサイズが十分に確保されれば、しっかりとしたデータが収集できるようになるはずです。
今後の計画に活かせるものになるはずです」
(出典・画像:豪abc)
うちの子も重度の自閉症、発達障害で知的障害です。
話をすることはできません。
嬉しいとき、そしてつらいときも飛び跳ねたり、叩いたりして知らせてくれます。
親であっても、何を伝えたいのかわからないことも多く、申し訳なく、悲しくなります。
「発達障害特集」「パラリンピック」
これまでずっと思っていることですが、マスメディアでのそれらが目に入っても、まさに
「障害者のなかでも、重度の知的障害者は忘れ去られている集団だと思うことがあります」
です。
正直、私たち親子にはそれらが参考になったり、励まされることはほとんどありません。
うちの子には関係ないなと遠い距離だけを感じています。
(チャーリー)