- 仲間がいないと感じるとき、どうしたらいいのか?
- 知的障害を持つ人が精神的な健康を管理するためのウェブサイトは、どのような点が役立つのか?
- 知的障害を持つ人の精神的な問題に苦しんでいる可能性が高いとされる理由は何か?
オーストラリアのシドニーに住む知的障害の女性、フィオナ・マッケンジーはときどき排除されていると感じましたが、自分を取り戻す方法を知っていました。
「障害のせいでできないと言われますが、できることもわかるはずです。
私はそう言っている人にそれが間違いであることを証明します」
45歳のフィオナはこれまで、からかわれたりすることに落ち込んでしまいました。
しかし、年齢を重ねるにつれ仕事を始め、障害者擁護団体と関わりを持つようになりました。
マッケンジーは差別に立ち向かうことに自信を持つようになりました。
「そうしなければ、ずっと私に対する嫌なことが起こり続けたと思います。
私は、行動しなければならないと感じました。なので、話しました。
私だけでなく、他の人にも起こってほしくないから」
マッケンジーは、サポートを求めることは簡単ではないことだといいます。
特にネットでは。
「知的障害をかかえていると、ネットに飛び込むことは、まるで知らない言葉の世界に来たような感じです。
写真にもメッセージが込められたりしていますから。
難しいです。
どこで何を見つけたらいいのかわからない、つきあい方もわからない」
マッケンジーはオーストラリアのブラックドッグ研究所とニューサウスウェールズ大学の専門家と協力して、知的障害を持つ生活者が精神的な健康を管理するために「ヘルシーマインド」というウェブサイトを開発してきました。
同研究所の上級プロジェクト担当者、クロエ・ヘックは、これは精神衛生上のニーズが高いグループに向けたものであると言います。
「研究では知的障害をもつ人たちは、そうでない人たちに比べて、不安やうつ病などの一般的な精神衛生上の問題に苦しむ可能性が高いことがわかりました。
しかし彼らはまた、適切なメンタルヘルスサービスにアクセスすることが難しく、コミュニケーションの問題もあります」
ウェブサイトには、わかりやすい言葉だけでなく、音声や写真も掲載されており、ユーザーをステップバイステップで案内してくれます。
コンテンツには、役に立つ考え方、深い呼吸法、リラックスして不安を管理するための方法などが含まれています。
ヘックは、このウェブサイトの開発には、生の経験を持つたちがあらゆる面で関わってきたといいます。
「私たちは、知的障害をもつ人たちに、ウェブサイトに何を求めているのか、どのように見えたらいいのかを教えてもらいました。
ウェブベースのメンタルヘルス・プログラムは、適切なサービスにアクセスするための困難を軽減しようとするものです。
すでにたくさんの種類のメンタルヘルス・プログラムがありますが、知的障害の人のために設計されたものはありませんでした」
オーストラリアでは、約47万人の知的障害の人がいます。
その約半数が精神的な問題を経験します。
臨床心理学者のピーター・ボールドウィンは、知的障害をもつ人は未だ差別を受けていて、適切な支援を行えるようになるまでに長い道のりががあるといいます。
「知的障害をかかえていると、必ずしもあなたのためになっていない支援内容から来るフラストレーション、恐怖や悲しみも感じます。
知的障害をかかえることは、食べ物を注文する、人の輪にはいる、医師に診断してもらう、それらが常に困難だったりします」
ボールドウィンは、このメンタルヘルスのウェブサイトはそれらを助け、役立つものになると考えています。
「すべての医師が、知的障害の人たちが本当に求めるメンタルヘルス・サービスを提供できるようには思えません。
何かに所属するということは、精神的な健康をささえる大きな拠になります。
医療システムを含め、自分が何にも所属していないと、知的障害の人は感じているのではないでしょうか。
そのために、知的障害の人たちに協力してもらい生の声を取り入れて開発してきたため、時間がかかりました」
知的障害をかかえるマッケンジーは、このウェブサイトはとても役に立つはずだと言います。
「障害をかかえる人たち、特に知的障害をかかえる人たちには、目的の情報を簡単に見つけられ、そうでない情報に困らせられることがないといいです。
そうでなければ、うつ病がさらにひどくなってしまったりします。
集中力もなくなって、助けが必要だと声を上げる気持ちもなくなってしまうかもしれません。
誰もが助けられる権利を持っています。
健康を得るために、物事がうまくいかないときに頼りになるウェブサイトがあることを知ってほしいと思います」
(出典・画像:豪abc)
自分は何にも所属していない。仲間がいない。
いつもそう感じることは、たしかにつらいものになるでしょう。
うちの子も重度の発達障害、自閉症で知的障害をかかえています。話すこともできません。
ですが、ずっと私は話しかけています。
「どうせ言ってもわからない」
親である私までがそうなってしまったら、絶望するように思います。
そんなふうに思うことは絶対にあってほしくありません。
なので、むしろウザいかもしれませんが、私はつまらないことでも何でも一方的に話します。
(チャーリー)