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自閉症の弟をもつ姉はずっと守ってきた。けれど育てられてもきた

time 2020/07/17

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自閉症の弟をもつ姉はずっと守ってきた。けれど育てられてもきた

「アレックス、行こう!」「アレックス、さあ!」

私は7歳のころいつも弟を追いかけ回していました。
2歳のぽっちゃりした弟を全力で遊び場に連れて行きました。

10歳になったころは、水着を着てバケツを持ったアレックスの手をつかんで、テレビから離して車に乗せビーチでの一日を過ごしました。

そのあとも、私は弟を動かし他の物事に近づけ、姉として弟をしつけるために行動しました。

私たちは二人で一組のような存在で、ずっと一緒にいるのでお互いを理解しているので会話をすることもありませんでした。

私の弟は発達障害の自閉症です。
そのために他の人とは違った行動をとることもあり、人が期待する「あるべき」「普通」とは違った行動をとることもあります。

「あるべき」は重要な意味を持っています。

自閉症は語られるよりもはるかに複雑です。
これは、私の弟が大人になるにつれてより明確になってきた事実です。

自閉症が人に大きな影響を与え、多くの状況や活動をより困難にしていることは間違いありません。

明るくて騒がしいショッピングモールに入ること、いつもとは違うことをすること、特定の食べ物を食べること、特定の食感に触れること、社会的な交流、アイコンタクト、テレビやコンピューターの画面からの過剰な刺激に困ることなどです。

しかし、私が26年間、弟のアレックスと一緒に暮らしてきたなかで学びました。

私たちは、「当たり前」や「普通」という言葉にとらわれてはいけないということです。

弟の困難を理解したうえで、私はいつも弟を守ってきました。

学校の廊下でも、スーパーの通路を歩いていても、無知な視線を投げかけてくる人たちと弟との間で、私はバリアになろうとしました。

人はときどき、自分とは違うものを怖がったり、ただじろじろ見たくなったりします。
なので家族と私は自分たちだけの小さな世界を作りました。

弟にとっても、私たちにとっても、安全な避難所です。
小惑星から身を守るための宇宙船です。

私は26歳、弟は21歳になった今、弟は私よりも背は高いです。
ですが、私たちはいつも弟を守ります。ずっと守ります。

私にはできなくて、弟にはできることがあります。

弟は頭の中に映画のコレクションを持っています。
数百、数千はあるかもしれません。名前、監督、俳優、映画スタジオごとに頭の中でカタログ化しています。
映画の台本も一字一句覚えています。

弟の記憶力には驚かされます。
弟はいつも、いつも、優しくて、愛にあふれていて、金色の笑顔で、周りにいる人をすぐに幸せにしてくれます。

たまにスペイン語で話したり、くすぐられて笑いが止まらなくなったり、ジョークを言って私たちを驚かせたり、弟がもっているキラキラとした謎めいた銀河を垣間見せてくれたりします。
それは弟の世界です。

弟が自閉症と診断されたとき、この銀河は私たちを暗い奈落の底へと突き落としました。
しかし、明るい出口が見えました。前に進むことができました。

膨張したり縮んだりするように見える銀河の中で、深く息を吸ったり吐いたりしながら、弟の脳を理解してきました。

21歳になったアレックスは、ピザ、サラダ、クッキーと、いつもと同じ食べ物を好んで食べています。
7歳の時にはチキンナゲットとフライドポテトしか食べなかったのですが、今では何でも試してみることを学びました。

弟の目は大人になったことを自覚していることを伝え始めています。
子ども向けの映画が大好きでしたが、「アベンジャーズ」のような大人向けの映画をリクエストするようになりました。

弟は学校に友だちがいます。
母と一緒のグループ活動の中でたまに会うのですが、彼も私たち家族のふざけた行動に興味津々です。
私と母はお互いに怖がらせるのが好きなのですが(ドアの後ろから飛び出してお互いを驚かせるような)、弟のアレックスは決して怖がりません。それは素晴らしいことだと思います。

弟は優雅で穏やかな動きで、何時間も泳ぐことができます。
音楽も大好きで、パヴァロッティ、特に「ネッスン・ドルマ」がお気に入りですが、ペドロ・カポーの「カルマ」やトム・ジョーンズなど、あらゆる種類の音楽を楽しんでいます。

自閉症の人と生きることで、私たち家族は人生は完璧ではないということを早くに理解しました。
そもそも完璧さを求める必要がないことを教えてくれました。

弟のアレックスは完璧になろうとしなくていいことを教えてくれました。

私は弟の横に座って、弟の銀河をのぞいたり、一緒に映画を見ています。
むしろ弟が私を育ててくれたことに感謝しています。

(出典:米yahoo! life)(画像:Unsplash

うちの子のきょうだいも仲良くしてくれています。

最近は怒ることもありますが、それもまあしかたありません。

ずっと守りたいと思います。

知的障害のある子どものきょうだいは支援的で優しい。研究結果

(チャーリー)


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