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両親を亡くした自閉症の青年は登山をして変わった。自立と再会

time 2020/07/08

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

両親を亡くした自閉症の青年は登山をして変わった。自立と再会
  • 登山をすることで、どのような変化が生まれるのか?
  • 自閉症などの特性を生かすことで、どんな可能性が広がるのか?
  • 家族や周囲の人たちは、どのように支えあって変化していくのか?

スコット・ガルシアは仕事を休みました。
職場で座っているわけにはいきませんでした。

自宅から米コロラド州南西部のウィルソン・ピークに向かいました。
46回目の、標高4300メートルの山への登頂です。
コロラド州の山々への登山としては67回目の登山です。

27歳のスコットは発達障害である自閉症です。

これまでに登山した日程などをすべて話すことができます。

「これは自閉症の特徴なんです。
数字には強いんです」

しかし、自閉症で悪いところもあると話します。

「私は止まっていられません。体も心も動かし続けなければなりません。
なので、山に登るんです」

スコットの登山記録のSNSへの投稿は驚くべきペースであるため、そのSNSの中では有名人になっています。

スコットの親友、シャンテル・ショーイはこう言います。

「登山は、ある意味スコットを救ったと思います」

最近は務めている倉庫の仕事で昇給もし、昨年の夏までおばと一緒に暮らしていましたが今ではスコットは自分のアパートで一人で暮らしています。

おばのローリー・ボウマンはこう言います。

「登山を始めるまでは、私に頼りきりでした。

しかし、登山を始めるようになると、自分でできることを理解し、私に頼らなくてもやっていけると気づくようになりました。

自信をつけていきました」

ローリーは、それでもやはりスコットのことは心配です。
しかし、地図やその他の情報を記憶できる能力をもっていることが安心もさせてくれます。

「自閉症であっても、素晴らしい才能をもっているんです」

そして、ローリーはスコットの母親、自分の姉のことについてこう言います。

「スコットは、母親である私の姉の誇りでした。

しかし、スコットは就職しても、言葉を話すことが苦手で苦労していました。
学校でも苦労してきたでしょう。
誕生日パーティーをしても誰も来ませんでした。

そして、母親はスコットが12歳のときに亡くなりました」

スコットはこう言います。

「つらかった。本当につらかった。

でも、それからはパパとすごく仲良くなった」

しかし、父親も早く亡くなりました。

「パパも死んで、大きく変わりました。

私は耐えられませんでした」

しかし、スコットは努力しました。

そして、父親が働いていた場所のあたりを歩き始めました。
母親といつもしていたように、散歩を始めました。

おばのローリーは、強い孤独がスコットをどうしてしまうのか心配でした。

スコットはこう言います。

「ネットでハイキングコースを調べました。
そして山々をハイキングするようになりました」

今では、スコットの専門知識を求め一緒に山に登りたいという人がいます。
スコットにおとずれた素晴らしい変化です。

「子どもの頃からずっと、私は一人で歩いていましたから」

しかし、今でも一人でいたいときはあります。

母が亡くなった日、父が亡くなった日です。

ローリーはこう言います。

「スコットはその日は一人でいることが好きです」

スコットは山の中にいれば、穏やかになれます。
木々も、小川も、高いところからの景色も、何も変わることはありません。

「高いところにいると、まるで空の中にいるような気分になります」

前に山の頂上に立ったとき、29回目の登頂のときのことを、スコットはこう思い出します。

「曇り空だったんです。

そのとき、ママとパパを感じました。

すると太陽が出てきて山頂を照らしたんです。

そのときのことを私は忘れません。

ママとパパがそばにいることがわかったんです」

(出典・画像:米Out There COLORADO

登山に出会えて本当に良かったですね。

そして、お母さんとお父さんも立派に成長した姿を見て喜んでいるはずです。

涙が出ました。

発達障害の青年は絵を描き文章を書いて本にし母の死を乗り越えた

(チャーリー)


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