- 発達障害のある子どもや大人が持つ特性や長所は何か?
- 自閉症スペクトラム障害の子どもたちは、どんな活動が得意で楽しいと感じているか?
- 子どもたちの強みを伸ばすのを助ける環境や要因には何があるか?
メディアや研究の多くの記事は、発達障害で子どもたちが経験する困難ばかりを強調しています。
豪グリフィス大学の研究チームは発達障害である自閉症スペクトラム障害の83人の子どもの自己申告からその特性、長所および好きな活動を研究調査しました。オーストラリアでは初めての研究になります。
” Research in Autism Spectrum Disorders”に掲載されたこの研究は、グリフィス大学の自閉症センターオブエクセレンスのミーガン・クラーク博士とドーン・アダムス准教授により行われました。
そして、自閉症スペクトラム障害の子どもの多くは、特定の分野で優れた才能をもつすばらしい子どもたちであることを確認しました。
スポーツなどの体を動かすこと、または数学や科学について、自閉症スペクトラム障害の子どもたちは得意だと感じていました。
そして、友だちとのつきあいや技術への興味、ゲームをすることに楽しいと感じています。
アダムス准教授はこう言います。
「自閉症についての研究は、かかえる困難からもっている強みに対して関心が移ってきています。
最近になって、自己申告に基づく自閉症の成人についての研究が行われるようになってきましたが、子どもたちについて同様に自閉症スペクトラム障害がもたらす肯定的な属性についての研究はまだ行われていませんでした
自己申告による情報は貴重です。
持っている自分の考え、感情、視点を明らかにでき、家族からの情報もそれを補足してくれます。
しかし、これまで自閉症スペクトラム障害の子どもたちの自己申告の情報を利用してこなかったのです。
自閉症スペクトラム障害による強みの研究は多く行われるようになってきました。
しかし、その強みが子どもの環境に応じてどのように変化していくかはまだわかっていません」
クラーク博士はこう言います。
「環境によって、自閉症スペクトラム障害の子どもたちが持っている強みを伸ばしたり、
または隠してしまう可能性があります」
“The Journal of Child and Family Studies”で発表された別の最近の研究では、クラーク博士とアダムス准教授は、家庭、学校、学校の3つの環境で子どもたちが強みを表現するのを助ける(イネーブラー)または妨げる(バリアする)可能性がある要因について、コミュニティや親から親からの報告に基づき調査しました。
クラーク博士はこう言います。
「支援的なコミュニティがあったときには、家の外にいても子どもたちは自分の強みを発揮できるようになったと親たちは報告しています」
研究はまた、子どもたちが自分の強みを使用することを困難にしたものも特定しました。
家庭で、子どもたちが自分の強みを発揮できなくなった主な要因は不安、不健康、不幸感でした。
学校では、社会的および感情的な困難でした。
「子どもたちがさまざまな場面で自分の強みを発揮することをしやすくしてくれるもの、妨げるものを理解することが重要です。
それを理解し、療育をそれぞれの子どもにあわせたものにすることで、強みを発揮できるように、妨げるものをなくすように支援することが可能になります」
(出典:豪グリフィス大学)(画像:Unsplash)
強みに気づき、伸びていくように手伝う。
一番求められ、大事なことだと思っています。
話すことができない21歳の自閉症の男性と家族は強みに変え起業
(チャーリー)