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自閉症の人は触覚が違う。社会的な困難につながっている可能性

time 2020/05/28

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

自閉症の人は触覚が違う。社会的な困難につながっている可能性
  • 自閉症の人の触覚にどんな違いがあるのか?
  • 自閉症の人の脳は感覚情報をどのように処理するのか?
  • 自閉症の人の感覚の違いが他の発達にどのような影響を与える可能性があるのか?

多くの人にとって、愛する人から優しく撫でられたり、裸足で草の中を歩いたりしたときの感覚は心地良いものでしょう。
しかし、発達障害である自閉症の人の中には皮膚への軽い圧力の感覚を嫌う人もいます。
「自閉症の人の感覚の違いは長く研究されてきましたが、自閉症の人がかかえる社会的コミュニケーションの困難に直接関わる視覚と聴覚についてのものばかりでした」
そう米ヴァンダービルト大学医療センターの精神医学と行動科学の准教授、カリッサ・カシオ博士は言います。
カシオ准教授は、自閉症の人の触覚について数年前から研究を行っています。
自閉症の人たちはそれぞれ症状が異なりますが、皮膚への圧力に対して感情的な反応を示すことが多く報告されています。
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「私たちには、相互に関連する2つの触覚があります。
信号をすばやく伝達する受容体によって伝えられる『識別的感触』、手を扱うときに役立ちつものです。
物の重さを感じ、拾うときに必要な力を決定します。
一方で『感情的触覚』は信号がゆっくりと伝わります。
痛みと温度に関する情報を伝えます。
そして、最近の研究によればこの触覚は、やわらかな接触など感情に関わる接触も伝えていることもわかりました」
自閉症の人とそうでない人について、この2種類の触覚についての脳の反応を比較しました。
すると識別的触覚に違いは見られませんでしたが、感情的触覚には大きな違いが見られました。
「私たちの仮説では感覚処理において、脳の感情的な部分とのつながり方に何か違いがあると考えています。
自閉症の人のそれまでの個人的な経験に関係なく、違いがあるのです」
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カシオ准教授が行った実験では、自閉症の人とそうでない人のふくらはぎに15秒間パッドをつけてもらい、安全を考慮した上で不快な熱さを与えました。
どちらの人たちも同程度の不快を示しました。
しかし、脳のスキャン画像をみると自閉症でない人は30秒間、不快に対する神経反応がありましたが、自閉症の人ではそれは10秒しかありませんでした。
「自閉症の人の脳において感覚情報を処理する方法に違いがあるのなら、それを理解して早期療育に生かせるようにできることを願っています」
そうカシオ准教授は言います。
触覚は、子宮の中にいるときに完全に発達します。
それは視覚など他の感覚よりもはるか前です。
そのためカシオ准教授は触覚の違いが他の発達に影響を与える可能性について研究をすすめています。
触覚は自閉症の人の多くがかかえている社会的な困難に影響を与えていると思われます。
乳児の頃の社会的な情報は、抱きしめられる、揺り動かされる、母乳を吸うなどほとんど触覚に頼っているからです。
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カシオ准教授の研究室では、消化にかかわる信号や心拍数の変化など体の内部に対する感覚知覚と、それが感情にどう影響を与えるかについても研究を行っています。
これまでの研究から、そうでない人に比べて自閉症の人は体の内部の感覚を受け取っている可能性があり、それによって認識や感情に違いが表れることが考えられるためです。
「このレベルで自閉症の人たちを理解できなければ、効果的に支援することができないと考えています。
何が違うのか、なぜ違うのか、そしてどう対処すれば良いのかを理解したいと考えています」
(出典:米Overton County NEWS)(画像:Pixabay
うちの子もずっと何かを触っています。
お気に入りのものを持っていなかったら、自分のほっぺとか。
すごく楽しくて気持ちよかったり、安心できるのだろうとそうしているときの表情から思います。
発達障害の息子の問題行動に体の内側の「内受容感覚」が関係

(チャーリー)


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