- 代替コミュニケーション方法は発達障害や自閉症を持つ人々にどのような影響を与えるのか?
- コミュニケーションの手段が限られている人たちにどのようなサポートが必要なのか?
- 自閉症や特別支援を必要とする人々との対話にどのような理解と思いやりが必要なのか?
文字をつづるなどの代替コミュニケーション方法は、米ワシントンD.C.郊外のグロウイング・キッズ・セラピーセンターの生徒たちには日常の一部です。
このセンターのエグゼクティブディレクターであるエリザベス・ヴォセラーは、こう言います。
「ここに来ている、話すことができない子どもたちは、運動機能の問題が原因となっています」
米カリフォルニア大学の教授、コニー・カサリ博士はこう言います。
「話すことには、運動の調整能力が必要となります」
話すことができない子どもたちとのコミュニケーションに、このセンターでは「スペル・ツー・コミュニケーション」が利用されています。
これによってとてもうまくコミュニケーションが行えるようになった生徒たちがいますが、まだ多くのテストを行う必要があるとカサリ博士はいいます。
話すことができないすべての人たちに有効な方法ではありません。
「発達障害の自閉症の人はそれぞれが異なります。より多くのコミュニケーション方法が必要です」
このセンターの生徒たちは、話すことで反応することができなくても、周りから聞こえる会話は完全に理解しているといいます。
こうイメージしてくださいとヴォセラーは言います。
「完全に喉の調子を壊して声が出なくなっても、言葉を理解する能力、文章にする能力はあるのです」
話す代わりに、アルファベットが書かれたボードやペンなどを使って、単語をつづります。
これによって生徒たちは同時に運動スキルを身につけることにも役立つといいます。
「これを使うことは練習になります。ずっと続く練習です」
21歳のイアン・ノードリングは15歳のときに、警察官に逮捕されそうになりました。
警察官の指示に従わずに道路を渡ったためです。
「警察官側の教育不足の結果である可能性が高い」
そう警察署長は当時のことをいいます。
現在、イアンは警察官に対して、自閉症やその他特別支援を必要とする人たちとどのように対話すべきかを教え、理解する支援を行っています。
イアンはメールでこう伝えています。
「自閉症の人たちは、自分で自分をコントロールすることがどれほど難しいかを知ってほしいと思っています。
まるで操り人形のように自分を思うこともありますが、コントロールできないのです。
自閉症のことを知ってもらわなければ、これは理解されないでしょう。
自閉症の人たちにたいする理解を深めてもらい、思いやりをもってもらうことを願っています」
イアンの活動を通じて、地元の警察官たちは自閉症の人たちの中には、口頭でコミュニケーションがとれない人もいること、触れたり、音や光に敏感であり、パニックを起こして逃げ出してしまうことがあることを知っています。
(出典・画像:米USA TODAY)
※追記
この記事をご覧になった方から、この記事でお伝えした「スペル・ツー・コミュニケーション」について、
「自閉症の人の発言を無意識に捏造してしまう可能性、リスク」があることをご指摘いただきました。
過去に某公共放送の番組となった「奇跡の〇〇」でも、私もご本人が本当にそう言っているとは、とうてい信じることはできませんでした。
それと同様のご指摘です。
うちの子のように話すことができない場合には、コミュニケーションができるのならとすがってしまう気持ちもわかります。
しかし、だからこそ「捏造」につながるのだと思います。
話せないその方を幸せにしたい目的から代弁者となり、その結果その方が幸せになっているなら、捏造と思われても私はケチはつけません。
しかし、目的がもうそうでなくなっていたら、代弁者が別の目的をもつようになっているのであれば、ご本人の言葉のように伝えるのは許せません。
疑う目をもち、注意することは必要だと全く私も思います。
(チャーリー)