- 発達障害の子どもたちにとって、遊び場はどんな意味を持つのか?
- 発達障害を持つ子どもたちの家族にとって、社会的な孤立感はどのような影響を与えるのか?
- 発達障害を持つ子どもたちにとって、バリアのない環境で遊ぶことの重要性は何か?
オーストラリアのシドニーにあるシャインシェッドは、発達障害の子どもたち向けに設計された感覚に優しい遊び場です。
オーストラリアではこうした遊び場はここだけです。
昨年オープンし、今では発達障害の子をもつ何百もの家族の待ち合わせ場所にもなっています。
「子どもたちは自分自身になれます」
リンダ・クラセンは発達障害の3人の息子をもう何度も連れてきました。
8歳のジェイデンにとってシャインシェッドは遊べる場所です。
ジェイデンは公園のことをクレイジーな場所だといいます。
「みんなが叫んでいる場所」
ここは完璧な場所だと母親のリンダはいいます。
リンダにとって、息子たちが見せる幸せな姿は何より重要です。
しかしそれは簡単ではありませんでした。
しばしば外の環境は、発達障害の子どもたちを怖がらせました。
そのために、リンダは子どもたちのバリアになってきたといいます。
「子どもたちが歓迎される、受け入れられている、ここに来るとそう感じることができます。
本当に素晴らしいことです。
子どもたちは、ありのままの自分になることができます」
ここをオープンした言語病理学者で幼児療育の経験ももつリサ・フラッシュスタックはこう言います。
「発達障害の子をもつ多くの家族がストレスを経験しています。
そして社会的な孤立を感じています。
私は家族と子どもたちが一緒に時間を過ごせる。
そして療育にもなる空間を作りたかったのです。」
ここには、特別に設計されたブランコやトランポリンがあります。
感覚に穏やかな部屋、車椅子の人でも利用しやすい更衣室などもあります。
ここは、障害の有無にかかわらず、あらゆる年齢の子どもたちを歓迎していますが、入れるのは一度に25人までに制限しています。
「ここは安全です。人が多くないんです。
入るときに電話をかけると、今何人いるのかも教えてくれるんです」
そう発達障害の子をもつパトリックは言います。
オーストラリア人権委員会(AHRC)の最新データによると、オーストラリア全国で400万人以上が障害をかかえて生活をしています。
これはオーストラリア人の5人に一人の割合です。
シャインシェッドで遊ぶオコーネル・ミルナーは、ここと同じようにどこでも発達障害の子と家族が利用できるサービスが提供できるようになってほしい、公共の建物についても特別なニーズに配慮する必要があると言います。
「発達障害の人たちは私たちの社会にいます。
特別に作られた環境に誘導する必要はありません。
私たちと同じ社会に参加し、受け入れられ、サポートされるべきです」
シャインシェッドを作ったリサも同意です。
全国にシャインシェッドができることを夢見ているといいます。
「こうした場所が足りていないんです」
(出典・画像:豪10daily)
まわりの目や迷惑をかけることを気にする必要なく子どもが遊べる場所。
そんな、幸せいっぱいに笑顔になっている子供を家族が見れる場所。
こんな場所はどんどん増えてほしいですね。
集まる視線で難しかった発達障害の子の家族が外食を楽しめる機会
(チャーリー)