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転生しなくても母は発達障害の息子を受け入れてくれる地を見た

time 2019/10/23

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

転生しなくても母は発達障害の息子を受け入れてくれる地を見た
  • 子どもが学ぶことを教えられる環境がどこにあるのか?
  • 発達障害や自閉症をもつ子どもを受け入れてくれる場所はどこにあるのか?
  • 子どもや大人が得意とすることを見出し、活かす場所はどこにあるのか?

発達障害の息子を受け入れてくれる場所を求めた母親の旅は、オタクの仲間たちと出会い、希望の場所にたどり着くことができました。
クリスティン・ロバーツは息子のジェイデンができないことではなく、できることを見てもらえるようになったと言います。
15歳のジェイデンは、独学で学んだ才能ある彫刻家といっていいでしょう。
お気に入りのゲームキャラクターから創造力をふくらまし、粘土でフィギュアを作ります。
「たとえば学校生活はジェイデンにとって過酷なことでしたが、
フィギュアづくりはジェイデンが楽しめることの一つで、得意にしていることです。」
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ジェイデンの家のテーブルには、粘土で作られたたくさんのフィギュアが並んでいます。
「息子は4歳の頃から作っています。
ある日粘土を買ってくると、息子が作り出したんです。
最初は小さな簡単なものでしたが、どんどん進化していきました。」
ほとんど話すことはないジェイデンに、どうやって作っていくのかを質問すると答えてくれました。
「一つひとつ、ただ作るんです。組み立てるんです。それが僕がすることです。」
ジェイデンは発達障害の自閉症スペクトラム障害です。
感覚にも問題をかかえていて、音や光に過敏です。
4歳になって幼稚園に入りましたが、すぐに困難なことがわかりました。
「幼稚園のころから、ずっと休学しているような感じですね。
朝9時に行くと、10時にはいつも電話がかかってきました。」
ジェイデンはみんなと一緒にいるのが苦手でした。
静かにかばんを取りに行って、隠れました。
「息子は学ぶことを教えられることさえ、ありませんでした。
ただ、できないことで罰せられていました。」
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住む場所を変えて、小学校に入学をしました。
しかしそれでも難しいものでした。
5年生になったときには、ジェイデンと家で過ごすために母親のクリスティンは仕事を辞めました。
ジェイデンは学校にいる間、ほとんどの時間、みんなから離れて過ごしていました。
そうでないのは、家に電話がかかってきて迎えにいったときだけです。
ジェイデンは「パニックをたびたび起こす攻撃的で言うことを聞かない子ども」だとみなされていたといいます。
「息子は机の下に隠れて泣いていたりしました。
友だちは誰もいません。
休み時間に遊ぶこともありません。先生もそばにいません。
学校に行っても、息子には社会はありませんでした。」
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教育学の学士号をもっている母親のクリスティンはこれまでの5年間、自宅でジェイデンに学ばせています。
「学校はあまり好きではありません。」
そうジェイデンも言います。
なおこの地域、カナダのニューブランズウィック州 の「インクルージョン」の制度は、期待されたようには機能していないと親や教師たちから何年も批判されています。
ジェイデンの母であり、フルタイムの先生でもあるクリスティンは、ジェイデンのフィギュア作りを心から応援しています。
非営利団体が毎年開催している、コミック、ゲーム、ポップカルチャーの大会にジェイデンと参加しました。
母親のクリスティンは自分のことを「古いオタク」と呼び、その大会では誰でも歓迎し、受け入れてくれたといいます。
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ジェイデンはテーブルの上にフィギュアを並べて、それぞれ10カナダドル(約800円)で販売しました。
「私はただ座って、息子が売る姿を見ていました。
すばらしい姿です。
できないのではなく、できるのを、ただ見ることができました。
売れるたびに、息子はお客さんから感謝されています。
本当に誇りに思いました。泣きそうになりました。
素晴らしく育ってくれました。」
ジェイデンは、自分のフィギュアを気に入ってくれ、購入してくれた人たちに出会えたことが幸せだったといいます。
それを聞いた母親のクリスティンも幸せです。
クリスティンは自分がジェイデンを世話することができなくなったときのことをずっと心配してきました。
「息子が私の願っている未来に続いていけることを見れました。
施設に行くしかない、そうではない未来。」
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その後、別のイベントに参加しようとしましたが、仕事を辞めたクリスティンには参加費用を捻出することは難しいことでした。しかしそのことを知った非営利団体を通じ、あるコミックショップがジェイデンのフィギュアスペースを設けることを提案してくれました。
非営利団体のバビノーは言います。
「私たちも、多くは親です。
私たちも、子どもを助けたいと思っています。
私たちもジェイデンが成功するのを見たいんです。」
それ以来、ジェイデンは依頼を受けてフィギュアも作っています。
「息子は自分がしたいことだけではなく、他人がしたいことにも応えられるんです。
その事実は、発達障害、自閉症スペクトラム障害の人に対する見方を変える大きなことだと思います。」
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今では、ペットの写真を見てそれをフィギュアして販売することも行っています。
非営利団体のバビノーは、ジェイデンのこれからに期待しています。
「ジェイデンが粘土で形作るのは、他の人にとっては鉛筆で描くようなものなんです。
素晴らしい才能です。
われわれ、オタクたちもそれを認めて歓迎しています。
私の目標はみんなが受け入れられ、ジェイデンのような誰もが、心から楽しめる機会を作ることです。
ジェイデンを見ると心が満たされます。」
ジェイデンの母親のクリスティンはオタクのコミュニティが、学校にはできなかったことをジェイデンにしてくれたと言います。
「ジェイデンを受け入れてくれました。
小さなことのように思われるかもしれませんが、そうではありません。
ジェイデン、そして家族みんなに大きな影響を与えてくれました。
生きやすくなりました。
流れにいつも逆らって泳いだり、岩を押し上げながら坂を上る、その苦労がわかりますか。
それが、一緒になって泳いだり、押し上げてくれる人たちが現れたんです。」
(出典・画像:カナダCBC
今どき、オタク、おた、に悪いイメージを持つ人もいないでしょう。いても関係ありませんが。
親子一緒に大好きなことをする、おたになる、見習いたい素晴らしいお母さんです。
好きなことを見つけたら、一緒になって追求したいですね。
「ファーリーズ」になって、発達障害の青年は自分を取り戻せた

(チャーリー)


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