- レゴ療法はどのようにして自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供たちのコミュニケーションスキルを改善するのか?
- レゴ療法に参加することで、自閉症スペクトラム障害をもつ子供たちやその家族はどのような変化を感じるのか?
- レゴ療法が自閉症スペクトラム障害の子供たちの学業や日常生活にどのような影響を与えるのか?
オーストラリアでは、発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)療育ツールとしてレゴを利用している家族グループが生まれています。
作業療法士はレゴ療法でASDの子供たちがレゴで遊びながら、他の人と話すことや交流することができるようになるのが期待できるといいます。
家族グループによるレゴ療法に参加している親たちは、子どもたちのコミュニケーションスキルが改善したと言います
何百人もの子供と大人が参加するレゴ療法の大きなイベントが毎年クリスマスの直前に開催されていますが、13歳のセスにとっては、恒例の年末イベントになりました。
「僕のような人たちの中には、自分にはできないと思っている人もいます。
しかしレゴの日に参加して、私たちのような人たちが作り上げたものを見れば、できることに驚くはずです。
それは素晴らしい体験になると思います。」
そうセスは言います。
9歳のときにセスは自閉症スペクトラム障害と診断されました。
それから毎週、この家族グループのレゴ療法に参加しています。
セスと同じくらいにレゴが大好きな子どもたち、そして母親のメラニー・レスターとの楽しい時間です。
「家族と一緒に遊ぶことがあまりないんです。
僕はいつも自分の部屋に閉じこもって、スマホやゲームばかりしています。
毎週、ここに来てレゴを一緒に作るのはとても楽しい。」
レゴのブロックはたくさん寄付されて、十分にあります。
そのために、作り上げたレゴの作品を子どもたちが壊す必要はありません。
レゴ療法のグループミーティングでは、最初にたくさんの箱を並べてレゴを色ごとに分けます。
セスの母親のメラニーは、ここでの取り組みは参加する子どもたちが楽しくできることを最優先に行われていると言います。
「レゴを色分けしておくことで、子どもたちの感覚への刺激を減らすことができます。」
セスはここに来るようになってから、目覚ましい変化を遂げました。
「社会との関わりができました。
こうして息子は家から出て、新しい人たちと出会うことができています。
今では、レゴに関係する機会があれば人と出会って話したいと思っています。
息子は自分にあった居場所を見つけられました。」
レゴは、セスの学校での成績や授業にも役に立ちました。
「細かな運動能力を培うことが大きな影響を与えたのだと考えています。
ボールをキャッチすることができませんでした。
鉛筆を持つことも少し困難を抱えていました。
それらが、改善したんです。」
ここに来るようになって、母親のメラニーは自閉症スペクトラム障害の子をもつ他の親と出会えるようにもなりました。
「10人中9人が同じような経験をしていたりします。孤独でなくなります。」
アメリカの神経心理学者ダニエル・レゴフが、レゴで遊んでいる間に内向的な自閉症の子供たちがどのようにして仲間と交流するかを2003年に観察して以来、レゴ療法は臨床ツールとして用いられてきました。
作業療法士のリディア・イルビンーコリンズは、自閉症の子どもたちをエビデンスに基づいたテクニックで惹きつける、子どもたちをグループにしてのレゴ療法セッションを毎週行っています。
オーストラリアの国民障害保険制度(NDIS)が支援するこのレゴのセッションでは、子どもたちはコミュニケーションと協力のスキルを向上させることができます。
「グループの中で協力しあえるようになること、それが目標です。
彼らはレゴの作品を通じて、お互いに説明する方法を学びます。
自分をコントロールすることが大事になります。
自分の感情を管理し、共同で作業を行う。
そして、他の人が理解できるように説明内容を考えなければなりません。」
作業療法士のリディアが行うレゴ療法では、それぞれの子どもは役割を割り当てられて、他の子どもに助けを求めながら組み立てていくことが求められます。
「説明をし指示を行う建築家、必要な形のレゴを見つけるサプライヤー、組み立てるビルダーです。」
10週間のコースで、参加した子どもたちには著しい変化が見られたと作業療法士のリディアは言います。
「私は2人の男の子と一緒に取り組みました。
子どもたちは、問題を解決するために、誰がどの役割をするか交渉することができました。
そして、役割を交換することもできたんです。
子どもたちにとっても、子どもたちの家族にとっても、私たちにとっても、
それを目にできたのは本当に素晴らしいことでした。
そして自分に出来たという経験が、自尊心や自分に対する自信、他の人と一緒に取り組める自信、
子どもたちにもたらしているのが本当にうれしいことです。」
(出典・画像:豪abc)
マインクラフトや料理なども良いだろうと思います。
すごい!うれしい!おいしい!そんなゴールに向かって一緒に作業をして、ゴール時には喜びを分かち合える。
遊びのときこそ、みんなで学べる最高の機会ですよね。
発達障害の子たちの学びを助け、自由をくれるマインクラフト
(チャーリー)