- 刺激行動は自閉症の人にとって有益ですか?
- 刺激行動を止めさせるのは良いアプローチですか?
- 自閉症の人が刺激行動をとる原因は何ですか?
リズミカルな反復的な行動は発達障害である自閉症の特徴です。
手を羽ばたかせたり、回ったり、体をゆり動かしたり、うなったり、ぶつぶつ声を出したり、そうした行動は慣れていない人には気分を害するものとなります。
何年もの間、繰り返しのこの動きはトラウマのようなものであり、そして学習することを妨げるものだと考えられてきました。
初期の時代の自閉症のスペシャリストである心理学者のオレ・イバ・ロバースは、これを「ゴミ行動」と呼んだと伝えられています。
当時、ロバースや考えをともにする人たちは、そうした自閉症の子に電気ショックを与えたり、どなったり、平手打ちをしたりしました。
別の人たちは、抗精神病薬やその他の不適当な薬を処方しました。
現在では、穏やかな対応がされているものの、手をひらひらさせるようなことを止めさせようと訓練されることが多くあります。
しかし、最近の研究ではこうした反復的な行動が誤解されてきたこと、そしてこれは実際にはとても役に立っているかもしれないことが示唆されています。
私の研究チームは、こうした行動が自閉症の人たちに安心を与え、圧倒的な外部からの刺激に対処することを助け、気分を落ち着かせる方法であることを見つけました。
しかし、一方で多くの自閉症の人がこうした行動をとることで、周りの人から疎外されているように感じていることもわかりました。
こうした行動を「刺激行動」と呼び、行ってもいいことをブログや動画で主張している自閉症の人たちもいます。
社会は、こうした行動が自閉症の人たちにはメリットがあることを理解し、受け入れる必要があると私は考えます。
私と研究チームは31人の自閉症の大人に「刺激行動」についてインタビューを行いました。
その結果、多くの人たちがその行動を制御することができない。
そして、ほとんどの人たちがその行動が自分を落ち着かせてくれていると言っていました。
もう一つの重要な発見は、この行動は騒々しい音など感覚的な過負荷、または仕事に対する不安など過剰な思考により起きるということです。
原因が自分の外であっても、自分の中であっても、自閉症の人は圧倒されてしまうのです。
刺激行動を行うことで、自分を取り戻すことができると多くの人が言っていました。
自閉症の人たちを助ける方法は、そうした行動を止めさせようとするのではなく、そうした行動を引き起こす原因に対処することです。
インタビューに参加した人たちは、耳せんや帽子で感覚を和らげたり、休憩時間を多くとるようにしたりするなど、環境を変えるようにしていました。
また、刺激行動で自分が抑えられないときには、心が落ち着く薬や心を穏やかにする訓練が役に立っているという話もありました。
私たちが行ったこの予備調査では、自閉症の人たちとそうでない人たちが大きく違わないことを示唆しています。
肝心なことは、見えるかたちが異なっていても、みんなと同じくそれは苦しんでいるのです。
その事実を認識すれば、自閉症の人の反復的な行動を受け入れようと思うはずです。
英エクセター大学 自閉症と神経多様性研究員 スティーブン・カップ
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay)
うちの子も繰り返し同じ行動をしたり、謎の行動をします。
一晩中、寝ることもなくずっとしたりして、
私も感情的になったり、参ってしまいそうになることもあります。
しかし、そう行動しなければならない理由があるのです。本人はもっとすごくつらいはずです。
それを常に考えなければならないと自分に言い聞かせます。
(チャーリー)