- 自閉症の子どもたちの自殺願望や行動を測るためにどのような質問票が使用されているのか?
- 自閉症の人たちの中で、自殺の危険性が高い可能性があるとされていますが、そのリスクを正しく評価するためにどのような取り組みが行われているのか?
- 発達障害や自閉症を持つ子どもや成人が自殺を考える要因やその対処法について、どのような支援が必要とされているのか?
発達障害の自閉症の子どもの約10パーセントが差し迫った自殺願望を持っていたり自殺につながる行動をしていました。
自閉症の子どもたちのほぼ全員がそれらにつながる状況にあり、81パーセントが精神保健に関わるサービスを受けていました。
米メリーランド州のケネディクリーガー研究所のポール・リプキン医学情報学部長が調査結果を発表しました。
米国疾病管理予防センターによれば、自殺は米国の10歳から34歳の間で、二番めに多い死因となっています。
この年齢層の自殺率は、1994年から24パーセント増加しています。
自閉症の人たちでは、自殺の危険性がさらに高い可能性があります。
危険な状態にある人を見つけ、保護することが求められます。
リプキンらによる研究チームは、自殺の危険性を測る質問票(ASQ)を使って、自閉症の子どもたちの自殺願望や行動について調べました。
この質問票は子どもや親へ、看護師や医師がインタビューして答えるものです。
自殺を考えているかなど、5つの質問に、YESかNOで答えます。
研究チームは、米国で自閉症のために通院している8歳から17歳の子どもたち542人から回答を得ました。
58人の子どもに自殺の危険がありました。
そのうちの48人は自閉症と正式に診断をされており、40人は親ではなく自分で質問に答えています。
自閉症の子どもたちの約半数は、ここ数週間のうちに、死にたいと考えていました。
そして3人に一人は、自分が死んだら家族は幸せになるだろうと思っていました。
3人に一人が、先週も自殺について考えていました。
約半数が、自殺しようと考えたことがあると答えました。
ASQは簡単な質問票ですが、自閉症の人に適切になっているかわからないため注意する必要があるとリプキンは言います。
また、自殺リスクを測るために一般的に利用されているツールは、自閉症の人たちには利用できないかもしれないことを別の研究が示唆しています。
その研究では、改定自殺行動アンケートと呼ばれるものの有効性を調べました。
188人の自閉症の成人と、自閉症ではない183人の回答を比較しました。
自閉症の成人は、4つある質問のうち2つについて理解するのが困難でした。
その結果、このアンケートでは自殺傾向を過小評価する可能性があると考えられました。
英ノッティンガム大学の心理学、サラ・カシディー助教授がそう研究結果を述べています。
カシディー助教授らによる研究チームは、自閉症の人たちと協力して、正しく自殺リスクを評価できるように改良を続けています。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay)
【電話やチャットで気軽に相談できる窓口があります。悩みや不安を感じたら】
厚生労働省 相談先一覧ページ
「3人に一人は、自分が死んだら家族は幸せになるだろうと思っていました。」
そんなふうに思っているなんて、本人はもちろん、家族にとっても本当に悲しいことです。
「うちのねっちさん」について、ある方のWebでのレビューを拝見したことがあります。
こんな内容でした。
「発達障害の子の漫画は結局のところ、親の苦労や悩み、悲しみばかりを伝えるものが多く、ますます救いがないように思ってしまう。
また、そうしたものは知的な遅れがない発達障害の子どもが見たら、二次障害につながってしまうかもしれないと思う。
うちのねっちさんは、そうしたところがないので、子どもにも見せられるし、子どもも掲載を楽しみにしている。」
つらく、苦しいことも少なくないと思いますが、親がそんなことばかり言っていたら、子どもは自分はいないほうがいいと思ってしまうでしょう。
言葉は話せないし、こちらの言っていることもわからない。
そんな子どもさんであっても、少なくとも子どもの前では、それは止めてほしいと願います。
発達障害の子のママでも楽観的であれば、うつ病などになりにくい
(チャーリー)