- 自分が何者であるかを示したいという願いをどのように表現しているのか?
- カンベルが作品作りを通じて発達障害の人たちを元気づけたいという願いはどのように現れているのか?
- 発達障害の人たちに隠された才能を見出すことの重要性は何か?
カンベル・スミスは独学で学んだ32歳の発達障害のアーティスト。
アメリカ、フィラデルフィアの建物の作品がアート界で注目を集めています。
約20年前に、父親のロニーが自宅の修理をしていたときに息子のカンベルがぐちゃぐちゃに丸めた絵を見つけました。
隠されていた絵は、カンベルがサバイバーと名付けたスーパーヒーローが活躍する物語のものでした。
発達障害の息子を理解することに苦労していたロニーにとって、その絵は息子のカンベルを理解することにつながりました。
父親のロニーに励まされて、カンベルは芸術的な才能を育みました。
独学で15歳の頃には油絵で風景を描きました。
絵の具やカンバスを買う余裕がなくなると、カンベルはゴミから見つけたダンボールで、フィラデルフィアに立ち並んでいる高層ビルの模型作品を作り始めました。
「自分が何者であるかを示したいんです。」
そうカンベルは言います。
10年近くの間、ロニーは息子のアート作品の展示会を地元の図書館などで行いましたが、誰も来ることはありませんでした。
それでも、カンベルはずっと作り続けました。
家の中は、作品でいっぱいになりました。
父親のロニーはこう言います。
「うちには家具はありませんが、アートはたくさんあるんです。」
カンベルが、フィラデルフィア美術館の巨大な模型作品にスプレー塗装をしているときに、近くに住むバーバラ・ゲデスが偶然にその作品に出会い、称賛をしました。
父親のロニーもすぐに出てきて、話をしました。
「ロニーは、息子のカンベルの作品を多くの人に見て欲しいと言っていました。
私は、アーティストたちとの素晴らしいつながりがあることを伝えました。
きっと、誰かがわかってくれると。」
ゲデスは、カンベルとカンベルの作品についてFacebookに投稿しました。
そして、ギャラリーをもつクリス・バーンが興味をもちました。
クリスは作品を見て、衝撃を受けたといいます。
カンベルの作品はニューヨークのアウトサイダーアートフェアなどに展示され、専門家からも素晴らしいと高く評価をされました。
作品のいくつかも購入されるようになりました。
カンベルは言葉を多くはもちませんが、作品に注目が集まったのは気分がよいと言います。
「本当にうれしいです。僕は続けます。」
父親のロニーは、何よりも息子の作品の素晴らしさを評価してほしいと願っています。
「息子は発達障害の人ではなく、まず芸術家なんです。」
今では、カンベルは人生の多くの時間を作品作りに費やしています。
作品ができるまでには1〜3ヶ月程度かかります。
カンベルは建物のかたちが大好きです。
Googleで集めた画像だけを頼りに、自由に作っていきます。
カンベル、父親のロニー、そして弟のカンタイは、カンベルの作品作りを通じて発達障害の人たちを元気づけたいと願っています。
「発達障害の人は、自由なんです。自由であれば超人的な能力を発揮できたりするんです。」
そう父親のロニーは言います。
家族たちはカンベルが描いたスーパーヒーローの物語を本にもしました。
CGでのアニメーションも作りました。
父親のロニーは、発達障害の子の親だからこそできる最も重要なことは、隠されている才能を見出すことにチャレンジすることだと言います。
「私は、みんなに才能があると思っています。ぜひ、見つけてください。
生まれてきたのには理由があります。
発達障害の私の息子は、ただ生きるためだけに生まれたのではありませんでした。
今、息子はその理由を明らかにしてくれています。」
(出典・画像:米The Inquirer)
誰にもみんなそれぞれ、何かを持っています。
見つかるようにチャレンジしましょう、見つかるように手伝いましょう。
発達障害の人、すべての人に対してもっている可能性を見つけよう
(チャーリー)