- 映画キャンプはどのようなプログラムを提供しているのか?
- 発達障害の人たちが映画を通じてどのような成長や学びを得ることができるのか?
- このフィルムキャンプが始まったきっかけや成長過程について具体的に知りたい。
それは3歳の時でした。トリスタン・ウェインライトは話さなくなりました。
父親は、トリスタンは映画の1シーンを繰り返すような感じになり、コミュニケーションがとれなくなってしまったといいます。
トリスタンは今14歳。ルイジアナに住んでいます。発達障害と診断されました。
「こんなふうに、私とコミュニケーションをとろうとすることがわかりました。映画が息子の先生でした。」と父親は言います。
「質問してみると、映画の1シーンを繰り返して意味を伝えようとしていました。息子はいつも映画に夢中です。そして学んでいるのです。」
トリスタンは映画の魅力にとりつかれて、ワークショップや学校、映画に関わるものは何でも調べました。
そして、発達障害の人向けに映画の技術を紹介する、ジョエイ・トラボルタ・フィルムキャンプを知りました。
3年前、ピッツバーグでの初めてのフィルムキャンプに来ました。2週間、ウィンチェスター・サーストン高校で開催されました。
ピッツバーグの発達障害者能力開発基金がホストとなり、映画作りについて学ぶ機会を発達障害の子どもや若者に提供します。
このキャンプはジョエイ・トラボルタ監督の指導で行われます。
俳優のジョン・トラボルタの弟です。ジョエイは特別支援教育の先生でした。彼の経験と映画製作が2003年に結びつきました。その時、発達障害の学生たちと映画祭に作品を出しました。
「発達障害の子どもの視点での映画作品です。「僕たちは普通の人が怖い」という10分のドキュメント映画です。」
「全国からお呼びがかかりました。私に来て欲しい、子どもたちに教えてほしいと。そしてこのキャンプが11年前から始まりました。雪だるま式に大きくなっていきました。」
彼とボランティアが、トリスタンのような人たちに教えています。8歳から28歳の人までに脚本の書き方やカメラの操作の仕方、調整の仕方を。
このキャンプは年齢で3つのグループに分かれます。それぞれのグループでテーマにこだわらずにショートフィルムを作ります。
ニュージャージー、フロリダ、カリフォルニアでも同様に行われています。
このフィルムキャンプを経験したトリスタンは、とても積極的になって、ピッツバーグにみんなで引っ越したいと考えるようになりました。
住んでいるところには、発達障害の人を支援するプログラムがないためです。
トラボルタは、トリスタンの家族と同様に遠くから旅をしてこのキャンプに参加する家族を多く見てきました。
何年も続けて家族が参加するのは、親と子どもの両方が、より仲良くなってお互いを大事に思うようになるから、と彼は言います。
「大人向けのプログラムでは、映画を通じて、穏やかでいる技術、生きる技術、まわりとやりとりをする技術を学んでもらいます。
その人が映画を作っても、作らなくてもそうします。」とトラボルタは言います。
「ワークショップでは、私が訓練して、そして就職してもらいます。
プロダクションでの仕事やインターンシップを、探すことが今の私の主な仕事です。」
トラボルタはこのワークショップを始める前は、ロサンゼルスで映画の監督、プロデューサーをしていました。
ピッツバーグの発達障害者能力開発基金のディレクターであるキャロリン・ハレによると、このフィルムキャンプは多くの人たちの支援により成り立っています。
2011年にこのフィルムキャンプは、たった12人で始まりました。そして年々大きくなっていきました。
ここ2年では50名を超える参加者がいました。今回のキャンプではクラスが一つ追加され、さらに10名増えます。
この基金では映画業界に入りたい発達障害の人たち向けのトレーニングプログラムを、今後行っていく予定です。
「それはおよそ1年間のプログラムで、高校を卒業した発達障害の若者向けです。しかし、希望する高校生がいたらもちろん断る理由はありません。」
(出典・画像:米ピッツバーグ・ポスト・ガゼット)
ハリウッドがある国だからでしょうか、日本ではあまりそのような情報は見かけないのですが、発達障害の方が映画を通じて、コミュニケーションがよくなったりできるのは映画となったこちらの話もそうでした。
ディズニーアニメで再び話せるように。
興味をもったもので世界が広がる。素晴らしい支援ですよね。
(チャーリー)