- 子どもが想像上の友だちを持つ理由は何だろうか?
- 架空の友だちを持つ子どもの親がどのようなサポートをすべきか?
- 架空の友だちが子どもにとって好ましい存在でない場合、どのように対処すべきか?
子どもたちが想像上の友だちと遊ぶのはまったくめずらしいことではありません。
多くの人が子どもの頃に人間ではない架空の友だちを持っていたり、持っていた友だちを知っています。
ある研究では、65パーセントの子どもたちに目に見えない友だちがいたことを明らかにしています。
3歳から5歳の間に子どもたちは想像上の友だちをつくります。
それは、世界中の子どもたちについて報告がされています。
そして、発達障害の子どもたちもファンタジーの友だちと遊んで楽しんでいます。
子どもたちが架空の友だちを作る理由はさまざまです。
そして、子どもそれぞれにユニークな存在になっています。
理由の主なものは、孤独をやわらげる目的です。
架空の友だちができれば、いつでも一緒に遊べるからです。
そのために、一番最初に生まれた子どもや、一人っ子が架空の友だちと遊ぶ可能性が高くなっています。
また、もう一つの大きな理由は、悪い行いやいたずらを誰かのせいにするためです。
想像上の友だちはたびたび、壊れた窓や散らかった部屋の犯人になります。
架空の友だちをもっている子どもは、そうした友だちをもたない子どもに比べて、社会性が高いことが研究でわかっています。
例えば、架空の友だちと一緒にいる子どもは、そうでない子どもに比べて、他の人と仲良くなりやすいことがあります。
それは、他の人は自分とは違った見方をするかもしれないと考えられるからです。そしてこれは他の人とのやりとりで助けとなるのです。
私の研究では、架空の友だちがいる子どもは、相手の外見よりも内面に注目することがわかっています。
例えば、実際の友だちについてたずねると、視覚的なことよりも性格などについて多く話す傾向がありました。
そして、架空の友だちがいる子どもはそうでない子どもに比べて、自分についてよく理解していること、そして自分が考えていることを人に伝えるのは難しいと感じていることもわかりました。
また、架空の友だちがいる子どもは創造性が高いことが、いくつかの研究で明らかになっています。
しかし、架空の友だちがいるから創造性が高いのか、それとも創造性が高いために架空の友だちがいるのか、どちらかはまだわかっていません。
とはいえ、架空の友だちと長く遊ぶことが、社会的な能力を高めていくことに疑いはないでしょう。
これらは、小児期において重要となる、社会へのかかわりの積極性や感情の発達についての調査にもとづいたものです。
私たちは大きくなるにつれて、新しい友だちを作る機会が増え、一人で過ごす時間が減っていきます。
そして、社会や人との関わりについて知っていきます。
そのため、ほとんどの子どもたちは、数年も経つと架空の友だちと遊ぶことをやめてしまいます。
しかし、やめることなく、ずっと架空の友だちと過ごし続ける人もいます。
研究によって、幼年期に限らずそれ以降の時期の発達においても、架空の友だちを持つことのメリットがあることが発見されています。
架空の友だちがいる発達障害の青年は、そうでない発達障害の青年よりも、対処や調整のスキルがあることがわかりました。
架空の友だちがいる大人もいます。
例えば、架空の友だちをキャラクターにして書いているという作家もいます。
そのおかげで自分が考えることなく、キャラクターが自分のストーリーを語ってくれるので助かるといいます。
架空の友だちをもつ子どもにどう付き合えばいいのか、親は考えてしまうことがあるでしょう。
これまでの研究結果から最善策は、架空の友だちを受け入れて、子どもを認めてあげることが示唆されます。
例えば、子どもが夕食前に見えない友だちと遊んでいる場合には、見えない友だちもテーブルに誘ってしまうのです。
架空の友だちをもつ子どもの親は、そうでない子どもの親よりも、子どもに話すことが上手で、子どもとうまくやっていることが示されていました。
また、架空の友だちが子どもにとって好ましい存在でないこともめずらしくありません。
例えば、いっしょに遊んだり、お願いしてもしてくれない、嫌なことを言う架空の友だちもいます。
こうした場合には、架空の友だちが子どもにどうした態度をとっているのか、何を行っているのかをたずねて、子どもと一緒になって対処をすることが役に立つかもしれません。
この架空の友だちは、本当の人間の友だちと同じように、子どもが人とのつきあいかたや社会性を理解するのを助けてくれるのです。
子どもが架空の友だちと現実の人間の友達だと思っているようなときには心配する必要がありますが、それはまれです。
架空の友だちと一緒に遊んでいる子どものほとんどは、空想の世界と現実の世界との区別はできています。
目に見えない友だちは子どもがもっている素晴らしい想像力の一端なのです。
そして、本物の人間の友だちとのつきあいにメリットをもたらしてくれるのです。
(出典:豪THE CONVERSATION)(画像:Pixabay)
うちの子も小さい頃は何もないところを見つめて、ニコニコ、ケラケラ笑ったりすることがあって、私には見えない何かが見えているのかも。なんかすごい!と思ったことはありました。
遊び方がわからなかっただけで、楽しいやりとりをしていたのかもしれませんね。
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(チャーリー)