- 発達障害の子どもはどのように感情を体験し、表現しているんですか?
- 音楽を使って発達障害の人の感情を理解することはできますか?
- 発達障害のある人が自分の感情を適切に表現するための方法はありますか?
発達障害の弟と一緒に育った米ペンシルバニア州立大学大学院生のアレキシス・バシャーノは、弟がある感情をもってもそれを表現できずにいるところを見てきました。
これまで、バシャーノはずっと音楽に取り組み、歌ったり、演奏したりしてきました。今も大学のバンドの一員です。
そして、音楽が人にあらゆる感情を呼び起こせるものであることを経験してきました。
バシャーノの発達障害の弟も音楽は大好きです。
バシャーノは大学で、発達障害の人がどのように自分の感情を知り、それを表現しているのかを研究するプロジェクトに今取り組んでいます。
この研究が、発達障害の人の感情をよりよく理解することに貢献することを願っています。
生物学と健康学を学んできたバシャーノは、コミュニケーション学と障害についてのダイアン・ウィリアムズ教授のもとでこの研究を行っています。
「音楽は、感情を動かす芸術そのものです。音楽はすべて、人に何かしらの感情を引き起こします。
この研究では、発達障害の人に参加してもらうことで、発達障害の人の感情や経験を表現する方法がわかるはずです。」
そうバシャーノは言います。
発達障害の成人の人たちが研究室を訪れると、まず聴覚と視力について測定がされ、非言語の知性や語彙力についてのテストやウィリアムズ教授からの質問にも答えます。
そして、バシャーノが作曲したオーケストラの曲を聞きます。
曲を聞いてもらい、そのときに発達障害の人がどんな感情であるか、どう表現しているのかを調べるのです。
まず、発達障害の人に短い歌詞のない曲を聴いてもらいます。
そして、それを聴いたときの気持ちを自由に教えてもらいます。
また同じ曲を聴いてもらい、「幸せ」「悲しい」「怖い」「落ち着く」のどれにあたるかを教えてもらいます。
「自由に答えてもらった気持ちと、『幸せ』『悲しい』『怖い』『落ち着く』のどれを選択したか、その関係が発達障害の人が自分の複雑な感情をどのように理解して、表現するのかを知るための手がかりになります。」
そうバシャーノは言います。
そして、この研究についてこう言います。
「私は興味がひかれる研究に取り組みたいと思っていました。
私には発達障害の弟がいます。
そのために、発達障害について研究しているウィリアムズ教授の研究にまず参加させてもらったんです。」
ウィリアムズ教授の研究を手伝い、そして自らのこの研究のプロジェクトを立ち上げました。
「発達障害の人はどのように感情を体験し、そして表現しているのか?
私がずっと思っていた疑問に対する答えは、私だけでない多くの人に意味のあるものだと考えています。」
(出典・画像:米ペンシルバニア州立大学)
生まれてからうちの子とはずっと一緒ですが、未だに何を考えているのかわからないと思うことは多くあります。申し訳ない気持ちになります。
また感情なども自分と同じように持つのか疑問はあり、不安になったこともありました。
しかし冷静に考えれば、発達障害などの有無にかかわらず、他人の思考はわかりません。
結局、誰しもみんな、わかったつもりでいるだけです。違う人間、違う脳ですから。
私が気に入っている曲をかけると、うちの子もノリノリでニコニコ、踊りだしたりします。
なので、言葉で表現ができなくても、頭の中にも言葉がなかったとしても、根本的なところは同じなのだろうと考えることにしています。(考え過ぎると、ニコニコしていても実は悲しいのではないかとも疑い、キリがありません。)
不安になったり、そんなことを考え込んだりするよりも、うちの子がニコニコしていることのほうがずっと大事ですからね。
言葉を話すことができない発達障害の子の内面を知るセンサー技術
(チャーリー)