- 医学部で行われているユニークな授業は、どのような視点を学生たちにもたらすのか?
- 医学部の学生たちによる発達障害や知的障害の人へのケアには、どのような期待が寄せられているのか?
- 医学部の授業を受けた学生たちが、将来どのような活動を行い、どのように役立つことが期待されているのか?
発達障害や知的障害がある患者への意識を高めるために、医学部で行われているユニークな授業があります。
今回は、自閉症スペクトラム障害の子どもが先生になりました。
「僕は13歳です。卵が大好きです。ADHDと自閉症です。」
そうハナが言います。
ハナと15歳の姉のヘレンは、米ボストン大学医学部の教室に来ています。
「何でも質問してください。怒りません。」
そうヘレンは言います。
これは発達障害や知的障害の人を支援する団体、アークの米マサチューセッツ州支部が行っている「オペレーション・ハウスコール」というプログラムの取り組みです。
「この授業はとても重要なものです。
医学部の学生たちが、発達障害の人、知的障害の人を患者として見るだけでなく、人として向き合えるようにする機会です。」
そう、アークのモーラ・サリバンは言います。
「私たちは医学部の生徒たちに、発達障害や知的障害がある人たちへのケアがよくできるようになるために教えています。」
医者であってもすぐに気づかない場合がある、障害をもつ人たちがいます。
そのために、こうした取り組みは重要なものです。
将来の医者たちに、発達障害や知的障害のある患者について知ってもらい、適切な診療方法を見つけられるようになることを期待するものです。
「医者となる人には、現実の本当の障害について知ることは本当に大事なことです。
そして、発達障害や知的障害の子が他の子どもと同じであることもわかるはずです。」
学生のクラーク・インはこう言います。
「私は、これまでと違う視点をもつことができました。それは役に立つと思います。」
アンドレア・アロンゾはこう言います。
「これまでに教室で学んだこととは、全く違うものでした。」
そしてこの授業は教室の中だけでは終わりません。
授業を受けたそれぞれの学生たちは、発達障害や知的障害の人がいる家庭に電話をかけるのです。
この経験が、医者になったときにさらに役立つものとなります。
(出典・画像:米CBS Boston)
これから医師になる方たち、発達障害、知的障害の子と関わることがなかった医師の方、そうした方々にこうして発達障害や知的障害の子に人として会ってもらえれば、とても助けてもらうのに役立つことと思います。数ある啓蒙や感動イベントよりもこうした実際に役に立つ機会が日本でも増えていくといいなと思います。
発達障害の人の治療ができるように歯科医に知識を教える取り組み
(チャーリー)