- 発達障害の子どもが肥満になりやすい理由は何か？
- どのような要因が発達障害の子どもたちを肥満にさせてしまうのか？
- 肥満を予防するためにはどんな取り組みが必要か？
米フィラデルフィア小児病院、米ペンシルバニア大学その他６つの専門機関の研究者たちの新しい研究によれば、自閉症スペクトラム障害などの発達障害の子は、一般の人たちに比べて５０％以上も多く太り過ぎや肥満になっていました。
“The Journal of Pediatrics”に掲載されている研究です。
自閉症スペクトラム障害など発達障害の子どもたちが、肥満にもなりやすいことを実証するはじめての大規模な調査研究になります。
さらに、重度の自閉症スペクトラム障害の子については、５歳になるまでに肥満になってしまうことも多いことがわかりました。
この研究では、２歳から５歳の２５００人の子どもを対象としました。
早期の肥満予防のためには、重要となる年齢層です。
この多数の専門機関による共同研究調査では、自閉症スペクトラム障害の６８８名の子ども、それ以外の発達障害の子ども９１４名、そして発達障害のない８８４名の子どもを対象にして行われました。
子どもたちの身長と体重は、専門機関で測られました。
自閉症スペクトラム障害の重症度は、米オハイオ州立大工画の大規模自閉症重症度スケールを用いて測定しています。
研究調査の結果から、自閉症スペクトラム障害の子どもは、全体平均に比べて肥満になる確率が１．５７倍、
自閉症スペクトラム障害ではない発達障害の子どもについては、全体平均に比べて１．３７倍と高くなっていました。
そして、自閉症スペクトラム障害の子どもについては、重度の子どもは軽度の子どもに比べて、肥満になる確率が１．７倍になっています。
「これらの調査結果は、自閉症スペクトラム障害にかぎらず発達障害の子ども全般に対して、早い段階から体重に注意することが重要であることを明らかにしています。」
そう、この研究を行った米フィラデルフィア小児病院の発達障害研究センターのスーザン・レヴィー博士が言います。
自閉症スペクトラム障害の子どもたちが肥満になりやすいことはこれまでの研究でも報告されていますが、自閉症スペクトラム障害以外の発達障害の子どもについても肥満になりやすいことを明らかにした研究となりました。
また、体重増加と他の医学的状態、行動の状態、発達の状態、そして精神的な状態との関連も調べられました。
「どうして発達障害の子どもたちは肥満になりやすいのか、そしてどの発達障害の子どもたちが特に肥満になってしまいやすいのかを理解するためにはさらなる研究が必要です。
内分泌系の問題、遺伝的な問題、胃腸の問題、投薬による副作用、睡眠障害、または食べ物の好みや偏りなどが可能性としてあげられます。」
研究チームでは、自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害の診断をうけた子どもたちが肥満にならないよう予防するために、医師たちに向けたガイドラインを示すことを考えています。
発達障害の子どもをもつ親は、医療介護の関係者たちとも肥満リスクについて共有し、肥満になることを予防する必要があるでしょう。
（出典：米ScienceDaily）（画像：Pixabay）
うちの子と同じ学校に通っていた突然亡くなられたお子さんを思い出しました。
しばらく見ないうちに、すごく太っていたことが印象に残っています。
なかなか簡単ではありませんが、体重のコントロールは常に意識しなければならないと思います。
発達障害の方それぞれに合わせた「適応運動」個人トレーニング
（チャーリー）
