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発達障害の程度が重いほど肥満のリスクが高くなる。研究結果

time 2018/10/01

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の程度が重いほど肥満のリスクが高くなる。研究結果
  • 発達障害の子の肥満リスクはなぜ高いのか?
  • 発達障害の子と家族をどのように支援すれば良いのか?
  • 幼児期に発達障害の子はなぜ急激に体重が増えやすいのか?

アメリカでは、発達障害の10歳から17歳の子の約半数が太り過ぎ、肥満です。
発達障害でない子の場合には、太り過ぎ、肥満の子の数は全体の1/3以下であるのに比べると大幅に多くなっています。
今回の「発達障害の子の肥満リスク」についての研究は26000人の発達障害の子どものデータに基づいたものです。
これまでの研究で報告されていた結果を確認するものになったと、米デラウェア大学の健康栄養学のシーン・ハリー助教授はいいます。
2012年以降に発表された発達障害の子の体重に関わる21の研究では、そのうちの16の研究で発達障害の子は肥満になるリスクが高いことを示しています。
今回の研究ではこれまでの研究でされなかった発達障害の程度と体重についての関連について注目をしました。
そして、発達障害の程度が重いほど、肥満のリスクが高くなることを発見しました。
米マサチューセッツ大学の健康体重研究ネットワークのディレクター、キャロル・カーティンはこう述べています。
「これまで発達障害の程度と体重の関係を対象にした研究がありませんでした。
どうして発達障害の子たちは肥満になってしまうのか。
発達障害の子と家族をどのように支援するのかを深く考えなければなりません。」
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そして、同時期に発表された米ペンシルバニア大学看護学部のタンジャ・クラル教授らによる研究では、幼児期において、発達障害の子はそうでない子に比べて急激に体重が増えやすいことを示しています。
また、発達障害の子は2歳〜5歳の間に、太り過ぎ、肥満になってしまうことが最も多いこともわかりました。
クラル教授はキャロル・カーティンらの「発達障害の子の肥満リスク」研究についてこう言います。
「幼児期の急激な体重増加が、発達障害の子どもたちの肥満リスクの高さの原因の一つになっていると考えられます。」
「発達障害の子の肥満リスク」について、米デラウェア大学のハリー助教授らが行なった研究では、10歳から17歳の発達障害の750名の子どもと発達障害でない25173人の子どものデータを分析しました。
これらのデータは、米国での2016年の子どもの全国健康調査で収集されたデータの一部です。
子どもの身長、体重、発達障害の診断、発達障害の程度、薬の服用状況など、親が子どもの健康について答えたアンケートの結果です。
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これらのデータから統計的推定及び分析の結果、
発達障害の子の19.4パーセントが太りすぎ、23パーセントがもっと太った肥満であることがわかりました。
発達障害でない子どもでは、太り過ぎは15パーセント、肥満は16%です。
人種、民族、収入、年齢、性別についても考慮をすると、
発達障害の子はそうでない子に比べて、太り過ぎになる確率は1.48倍、さらに進んだ肥満になってしまう確率は1.49倍でした。
そして発達障害の子のなかでも、重度の子が肥満になってしまう確率は軽度の子に比べて、3倍以上にもなっていました。
発達障害が重度の子どもに肥満が多くなる理由は、軽度の子に比べて運動量が少なく、食べるものにも偏りがあることが原因だと考えられるかもしれません。
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しかし、これらの研究結果に対して一部の専門家からは、親のアンケートの回答だけを根拠としているために、慎重に考える必要があるという指摘もあります。
「発達障害の程度と肥満との関係は、親の回答ではなく医療機関によるきちんとした程度の判定を元に調べる必要があります。」
発達障害の子が、そうでない子に比べて太り過ぎや肥満になってしまう、はっきりとした原因はまだわかっていません。
発達障害の子が服用する薬の中には、体重増加に関連するものもありますが、今回の研究では「薬の服用」を考慮した上でのものです。
「幼児期に発達障害の子は体重が急激に増えやすい」ことを示すクラル教授らによる研究結果をみれば、発達障害の子の肥満リスクの高さは人生の早い段階で生じているように考えられます。
クラル教授ら研究チームは、発達障害の2歳から5歳の子ども2466名の身長と体重を分析しました。
自閉症の子ども668名、その他の発達障害の子ども914名、発達障害でない884名についてです。
研究チームは、子どもたちの医療記録から、生後6ヶ月での体重増加を調べました。
子どもたちの母親からは自分の身長と妊娠前の体重について聞き取りを行いました。
また、医療記録から出産前の母親の体重を調べました。
そして母親を、妊娠による通常の体重増加をした母親、それを超えて体重が増加した母親とに分類をしました。
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妊娠する前から太り過ぎ、肥満であった母親の子どもは、そうでない母親の子どもに比べて、太り過ぎや肥満である確率は2.4倍でした。妊娠中に太り過ぎてしまった母親の子どもは、そうでない母親の子どもに比べて、太り過ぎや肥満である確率は1.5倍でした。
こうした結果は、発達障害の有無にかかわらず全ての子どもにおいて共通のものでした。
そして、自閉症の子どもは、その他の発達障害の子、発達障害でない子に比べて、幼児期に急激に体重増加をすることが多いこともわかりました。
また、幼児期に急激に体重増加をした自閉症の子は、そうでない子に比べて、太り過ぎや肥満になっている子どもは3.5倍にもなりました。
「まだよくわかっていませんが、自閉症の子には幼児期に肥満や摂食に影響を表す遺伝的な要因があるのかもしれません。」
幼児期の急激な体重増加とその後の肥満リスクの関連について、クラル教授らは研究を進める予定です。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
うちの子は重度の自閉症、発達障害ですが赤ちゃんだった頃はむしろ小さかったと思います。
その後は太ったり、やせたりという感じです。
好きなものがあったら、好きなだけ食べてしまうので、気をつけなければなりません。
…うちの子よりも私自身かも…
発達障害の子が楽しみながら、運動能力、社会性を培うテニス療育

(チャーリー)

 


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