- 自閉症の人が体験会でスウェードの手袋や光が明るいゴーグルを着ける理由は何か?
- 体験会で行われるビーズの糸通しの作業は何を表現しているのか?
- 自閉症の人の振る舞いを理解するために体験トレーニングがどのように役立つのか?
米バージニア州にて自閉症の体験会が行われました。
ボニー・ザンピノが開催する体験会の参加者全員が、とても大きなスウェードの手袋や、光が極端に明るくなるゴーグルを着けます。
ザンピノによると、これで自閉症の人の感覚を感じることができるといいます。
「これらを着けて1マイル(1.6km)歩いて、自閉症の方の振る舞いの原因を理解することができます。そして、自閉症の方がもっと気持ちよくできるように接することができるようになります。」
このトレーニングの意味は自閉症の人が頭の中がいっぱいになってパニックになってしまう原因となる感覚を知ることです。そして、パニックを落ち着かせることができるようになることです。
ゴーグルと手袋をつけてビーズの糸通しのような作業も行います。自閉症の人が行うことと同じことをしてストレスや難しさを感じるのです。
これらがどんなに難しいかを知ると、自閉症の人が示す反応を理解することができるようになります。
「今は、自閉症の人の振る舞いを、良くない目で見て面倒なことと捉えます。」
ザンピノは自閉症の自分の息子が学校で体験してきたはずのことを、このトレーニングに取り入れました。
「どうして息子が人を叩いたのか?どうして子どもの手をようじで刺したのか?いろいろなことがあり、どうしてそんなことをしたのか私は全くわかりませんでした。学校から度々呼び出しがあり、それらを質問されました。」
ザンピノは学ぶ決心をし、この体験トレーニングの活動を行うNPOを作りました。そして理解を深めていきました。
自閉症の人のストレスを知ることで、思いやりの心を持つことができるとザンピノは言います。
自閉症について研究をする専門家は、この体験トレーニングで新しい視点を持つことが出来たといいます。
「自閉症の人が大変そうな時に、ただ「大丈夫、大丈夫」と言うのがどれほど楽なことかがわかります。頑なに何かにこだわっていたり、私たちを困らせたいわけではありません。自閉症の人はその時、本当に大変なのです。」
ザンピノはこの体験トレーニングによって、自閉症の人がパニックになった時に、柔軟な対応ができるようになることを願っています。
(出典・画像:米your4state.com)
自閉症の方の感じ方や困難なことを知って、きっとそれだけでは足りていないと思いますが、少しでも近づこうとする試みです。思いやりが育つと本当によいことだと思います。
自閉症の方には世界がどんなふうに見えるのかを少し体験することができる動画も公開されています。
自閉症児の見る世界
(チャーリー)