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発達障害の人は人類みんなの進化をともに歩んできた違う人たち

time 2018/09/21

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害の人は人類みんなの進化をともに歩んできた違う人たち
  • 1. 発達障害や自閉症、知的障害などは人類の進化の一環なのだろうか?
  • 2. 発達障害の人たちには、特別な存在としての価値があるのか?
  • 3. 発達障害の人たちは、人類の進化にどのように貢献しているのだろうか?

現在公開中の映画「ザ・プレデター」では、プレデターはこれまでと異なり、「狩る」ことに目的をもっています。
「ザ・プレデター」(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
映画『ザ・プレデター』オフィシャルサイト
それは、自らの進化に他の種のDNAを利用しようとするためです。
主人公の発達障害、自閉症の息子のローリーを自らの進化に利用しようとプレデターが迫ります。
特定の心理的、脳神経的に違う人たちに特別な価値を示唆する映画などはこれまでにもありました。
そして、実際に人類の生存と繁栄の鍵であった歴史的な証拠もあります。
このプレデターの映画では、発達障害が有益なものかそうでないかを超えて、発達障害とは人類の進化の段階であることを示唆しています。
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映画によっては、発達障害の人はしばしば虐待されている対象として描かれることがあります。
そして、他の人たちにはない特殊なスキルを持っていたりします。
発達障害である自閉症スペクトラム障害やサヴァン症候群は実際どういったものでしょうか。
素晴らしい能力を示すことが特徵のサヴァン症候群の人の数は正確にはわかっていません。
自閉症スペクトラム障害の人の中での割合なども示されたものがありません。
およそ10パーセントから30パーセントの範囲内だろうという憶測だけです。
それは、サヴァン症候群と評価するための明確な基準がないためです。
しかし、それほど多くないことは確かです。
英エジンバラ大学の発達心理学者、スーフレッチャー・ワトソンはこう述べています。
「『進化』とは急激に起こるものではありません。
個々の遺伝子の変異が起こっても、それがすぐに目に見える変化となることは通常はなく、多くの人間を通じて徐々に現れてくるものだからです。
発達障害の原因は、遺伝子によるものだと考えられますが、まだ明らかになっているとはいえません。
そして、発達障害の人それぞれが、それぞれに異なった遺伝子によることも考えられます。
発達障害の遺伝子と一括りにすることもできないでしょう。」
サヴァン症候群の人はすごい能力を発揮しますが、ときには信じられないほどに他の人のようにできないこともあります。
そうした人たちを通じて、私たちも自分自身をより理解できるようになるはずです。
これまでの数年の間に、発達障害の人が劇的に増加していることがデータにより示されています。
しかし医師の多くは、発達障害と診断する基準が変わった結果であると考えています。
今まで、発達障害の人たちが進化した別の人類ではなく、私たちと同じ人類であった事実に疑うところはないでしょう。
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発達障害とは映画で示唆されるような「進化」ではないようです。
しかし、エジンバラ大学のスーフレッチャーはこう言います。
「私は今示せる証拠がないのですが、
これまでの人類史のなかで、人口の1パーセントを占める、違った人たちは不利に扱われることはありませんでした。
それは、人間の発展には多様性が必要だったからです。
つまり、違ったスキルをもった違った人たちが必要なのです。
発達障害の人たちを含む、ニューロダイバーシティは必要なものなのです。」
蘭アムステルダム大学の神経心理学博士過程にある、発達障害の当事者であるR.J.はこう言います。
「発達障害とは、遺伝の影響を受けた心理学的特徵の一つにしが過ぎないものだと思います。
そして、これが進化論的に有用なものであったならば、もっと多くの人が発達障害になっているはずです。」
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つまり、発達障害とは進化した人類のかたちではなく、一緒に歩んできた人類のかたちなのです。
進化とは予測可能な線形の変化ではありませんが、常に起きています。
水から陸に住むようになった哺乳類の中には、水に戻っていったクジラもいます。
進化は、良い、悪い、そんなことは関係ありません。
その生物種が残ることだけを目的としています。それが全てです。
進化は、膨大な時間をかけて遺伝子の変化が集まったものに過ぎません。
人類はみんな進化し続けているのです。
つまり発達障害の人たちも、同じく人類の進化を代表しています。
そして人類の発展に必要な、世界を少し違ったように見ることができる少数の人として、発達障害の人は尊敬されるべきでしょう。
発達障害の人、そうでない人がお互いの違いを尊重し、そして共有し、お互いに親切になることが人類の幸せになるはずです。
そして少なくとも、プレデターが地球に来ても発達障害の人は尊重されるので、人類も滅亡しません。
(出典:米SYFY WIRE  映画『ザ・プレデター』オフィシャルサイト)(画像:(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation)
これまでの人類史を見ても、見方や考え方が異なる少数の人たちが尊重されてきたことがわかってきています。
今でいう、発達障害の人たちもいました。
人類の進化系というよりも、ともに歩んできたことで人類みんなが進化できた、お互いに違いを理解し、お互いに尊敬するべき人たちと考えるのに私も大賛成です。
発達障害の人の特徵となっている能力で人間は氷河期を生き延びた

(チャーリー)

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(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
現在公開中 映画『ザ・プレデター』オフィシャルサイト
【STORY】元特殊部隊員で現在は傭兵の父親クインがメキシコで手に入れた謎の装置を、息子のローリーが箱の中から発見。彼が起動させてしまったその装置は、地球にプレデターを呼び寄せるシグナルを発信するものだった…。
【監督】シェーン・ブラック 【製作】ジョン・デイビス【製作総指揮】ビル・バナーマン アイラ・ナポリエッロ【キャラクター創作】ジム・トーマス【出演】ボイド・ホルブルック トレバンテ・ローズ ジェイコブ・トレンブレイ キーガン=マイケル・キー オリビア・マン


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