- コミュニケーションや人とのやり取りに関して、発達障害を持つ人はどんな困難を抱えるのか?
- 発達障害を持つ人の知性や世界観はどのような特徴を持っているのか?
- 学校の教育システムにおいて、発達障害を持つ子どもとそうでない子どもの違いがどのように問題視されているのか?
発達障害の子どもは、コミュニケーションなど人とのやりとりに困難をかかえることがあります。
一方で、すばらしく知性に富んだ、世界を解釈する力をもっていたりします。
オーストラリアのクイーンズランド州の10歳のケイデンスは、発達障害です。
話す言葉の遅れ、不安障害、感覚障害があります。
ケイデンスはしぐさや表情から人の気持ちを理解することはできません。
しかし、人の脳の働きについては強い関心があります。
ケイデンスは言葉についても、よく考えています。
母親のアンジェラがFacebookに投稿しました。
「発達障害のケイデンスの視点」
娘のケイデンスが取り組んだ宿題についての投稿です。
小学校4年生のケイデンスの宿題です。
4つの図形が描かれている問題です。
「それぞれの図形に名前をつけなさい」
多くの子ども、そして大人は、最初の図形についてこう書くでしょう。
「四角形」「立方体」
しかし、ケイデンスはその問題に対して、正直に思ったことを書きました。
「ルル」
残りの図形にもすばらしい名前を書いています。
「マクスウェル」「オリビア」「クイントン」
ケイデンスの答えは間違っているといえるでしょうか。
母親のアンジェラはこう投稿に書いています。
「娘のケイデンスの宿題の答えはいつも面白いです。
気づかせてくれます。
文章は、いくつにも解釈できるということです。
画一的な学校の教育では、発達障害の子どものそうでない子どもとは違う反応は、目立ってしまうと思います。
しかし、ケイデンスは純粋に文章を解釈する能力や創造性が優れているのだと私は思っています。」
投稿に対してのコメントにもこう書かれています。
「たしかに間違っていないよ。」
ケイデンス自身も投稿しています。
「私の発達障害について、昔からあるクラシックな自閉症だという人がいます。それは良いことではないようです。
しかし、「クラシック」という言葉を辞典で調べると、優れた品質、最高の品質を意味しているとありました。
そうであれば、私は優れた品質、最高の品質の脳をもっているための自閉症なんです。」
ケイデンスは自分の脳が他の人とどう違うかを説明します。
「次に起こることが予測できなかったり、何かが違うと思うと、私はパニックになってしまいます。」
そして、発達障害のメリットも伝えます。
「私はすごく、においがわかります。
遊び場でカーディガンが落ちているのを見つけました。
私には、そのカーディガンから2年生のときの先生のにおいがするのがわかりました。
ママはすぐに先生に電子メールを送っていました。」
ケイデンスは自分がずっと安心を感じることができる「完璧な世界」についての洞察も記しています。
「『完璧な世界』であることを望んではいけないのだと思います。
もし、世界がすでにそうであったなら、誰も学ぶことがなくなってしまうからです。」
(出典・画像:オーストラリアkidspot)
違ったように捉える、見える、考えられる。
それが、多様性による強みだと思います。素晴らしいことだと思います。
しかし、「違ったように」であるためのリスクもあります。
例えば、避難の呼びかけなどがあったら、それは同じように捉えて頂かなければなりません。
笑えるだけですまないこともたくさんあります。
そのために必要なサポートもとても重要です。
発達障害の人の特徵となっている能力で人類は氷河期を生き延びた
(チャーリー)