- 1. 発達障害や自閉症スペクトラム障害の子どもたちは感覚過負荷にどのように対処しているのか?
- 2. 「プリズム」というゲームを通じて、発達障害の人が抱える違った困難をどのように理解できるのか?
- 3. 米カーネギー・メロン大学の取り組みが、発達障害の子どもたちを理解しやすくするためにどのような効果をもたらすのか?
米カーネギー・メロン大学で、小学生の子どもたちが発達障害の子どもたちを理解できるようになる新しいゲームが開発されました。
米カーネギー・メロン大学のエンターテイメントテクノロジーセンターが開発した「プリズム」というゲームは、発達障害、自閉症スペクトラム障害の人を動物のキャラクターを通じて理解できるようにしたものです。
3次元の森の中のシーンからスタートします。
プレイヤーはキツネになって、自分の家を洪水から守るために他の動物と協力して、川を渡りダムを造らなければなりません。
キツネは夜行性です。
そうであるために、昼間の時間帯では、強い感覚を感じてしまうようになっていると、このゲームのプロデューサーである同大学院生のダニエル・ウルポーが言います。
ある場面では、画面は光で明るさがいっぱいになり、音楽も歪みます。
吠えることによって、それらを和らげることができます。
これは、発達障害の人がどうやって感覚への過負荷に対処しているかの疑似体験だと言います。
「発達障害の人は感覚が過負荷になった場合には、例えば手足を動かしたりして、しのいでいるのです。」
発達障害による違う困難についても、ゲームのキャラクターを通じ知ることができます。
たとえば、クマやイノシシとのコミュニケーションは、とても限られた絵文字しか使えません。
話すことができず、人見知りなヘラジカはホタルとは仲良くコミュニケーションすることができます。
「シチメンチョウは、自分のすきな一つのことだけを話します。他のことは話しません。
あなたがいろいろなことを話したいと思ったら、カエルと話せばよいのです。」
このゲーム「プリズム」は技術を得意とする学生、アートを得意とする学生たちによって、発達障害でない子どもたちが、発達障害の子どもたちを理解できるようにしようと小学校と提携をし開発したものです。
「発達障害でない子どもたちも、発達障害の子どもたちを理解することができなく、困っていたんです。」
そう、ウルポーは言います。
小学校の3年生、4年生の子どもたちが、ゲーム開発に参加し、テストプレイも行いました。
「それくらいの年齢の子どもたちは、マインクラフトが大好きです。
なので、3次元の緑に囲まれた空間は、きっと気に入ってくれるだろうと考えたんです。」
プリズムはネットからパソコンで無料でプレイできるだけでなく、iPhoneやAndroidの無料アプリでもプレイすることができます。
学校の先生向けの利用ガイドも提供されています。
(ゲームの体験や先生向け資料はこちらから https://www.etc.cmu.edu/projects/prism/index.php/for-teachers/ )
(出典:米カーネギー・メロン大学 米WESA)(画像:米カーネギー・メロン大学)
カーネギー・メロン大学といえば、AIやロボット開発で有名です。
そういう大学でこうしたアプリの開発が行われているのはうれしく思います。
発達障害の子が体験することは、自分が操作するキツネを通じて体験していく。
発達障害の子の特性については、出会っていくさまざまな、特性をもった動物から学んでいく。
30分ほどそのゲームをプレイした後に、先生や生徒たちでディスカッションをし学ぶ、学校での利用を想定されたものです。
現在のところは、残念ながら英語のみです。
みんなで一緒に歌えば発達障害の子へのいじめが減るという研究
(チャーリー)