- 弟や兄弟が発達障害や知的障害を持つ場合、どのようなサポートや活動が役立つのか?
- 発達障害を持つ子どもや大人が柔術を学ぶことで、どのような変化が見られるのか?
- まだ自分の身を守る方法を知らない子どもたちに、どのようにしてそのスキルを伝えることができるのか?
デビン・ミラーは闘うことなんてしたくありませんでした。
しかし、するしかないと思いました。
他の子どもたちが、発達障害の弟のディランをいじめていたからです。
ディランは7歳になっても、話すことができませんでした。
話せるようになっても、それを隠して誰とも話しませんでした。
「僕は弟のディランのために闘うことに決めたんです。
僕は弟を守るために闘って、負けませんでした。」
21歳のデビンは今や、プロの総合格闘家です。
また、道場で教える仕事もしています。
特別支援を必要とする人たち向けの無料の柔術のクラスも行っています。
それには弟のディランも参加してます。
もう何年もデビンは弟のディランにいろいろなことを教えてきました。
ディランを書店やマクドナルトに連れて行きます。
そこで買い物、支払いの練習をしています。
料理のしかたも教えました。魚の飼い方も教えました。
しかし道場で柔術を学ぶことは大きく弟のディランを変えました。
20歳のディランがテイクダウンを練習します。
ひざまずいて、相手の足をつかんで倒します。
ディランは笑顔でいっぱいです。
道場に来て、練習するようになってからディランはコミュニケーションをとるようになりました。
長く会話をするようになり、友だちもできました。
「ディランはこれまで人と話すことなんてありませんでした。
今は練習しているときに、人と話しているんです。
まるで夜が明けたように思います。」
そう母親のアリサは言います。
この特別支援が必要な子ども向けの柔術クラスに参加しているトレバーとトレント・マイヤーの二人はどちらも発達障害の兄弟です。
トレバーも学校でいじめられていました。
父親のジョンはこう言います。
「一年生の頃から、本当に苦しんでいました。」
12歳のトレバーはずっと隠れるようにしてきましたが、この道場のクラスに参加し練習するようになって変わりました。
「トレバーは、子どもたちと闘いました。
誰一人傷つけることはありませんでしたが、もういじめられることはなくなったんです。」
このクラスでは、柔術の技を学びます。
しかし、それだけではなく規律や指導に従う能力も身についてきます。
練習しているところを見る限り、トレバーが発達障害だと思う人はいないでしょう。
母親のブレンディはこう言います。
「息子たちはここまで成長できたんです。
トレバーは5歳になるまで、話すことができませんでした。
今は会話を楽しめるまでになっています。
発達障害とは一見思えないくらいになりました。」
トレバーはこう言います。
「自分の身を守る方法を知っているのは良い気分です。
傷つけるまでしなくても、相手を抑えて、先生に助けを求められるんです。
それがすごく役に立ちました。」
9歳の弟のトレントは、他の人に触れることができませんでした。
しかし、ここで練習をするようになって、感覚の問題が減りました。
トレバーの母親のブレンディもここで、自分自身や子どもたちを守るために柔術を学ぶようになりました。
「守るために、自分ができることを教えてくれるんです。
精神科医の仕事をしながら、私は柔術を学んでいます。
私の子どもたちの安全を守るために役に立っています。」
(出典・画像:米SportsDay)
「柔術」
ずっとやってみたいという興味はありつつも、ずいぶんと長い時間が過ぎてしまいました。
強いだけでなく、指導方法もシステム化されていて、安全に学べると聞いています。
技の動画などを見てもわかりますが、体以上に本当に頭を使うので、そういった面でも学べると思います。
そしてたしかに、身を護る術を知っていることは、子どもが安全に自信をもって生活していくのにとても役にたつはずです。
発達障害の子がいじめられるのは、不公平な行いも受け入れるから
(チャーリー)