- 発達障害の人でも社会的スキルを向上させるための取り組みは存在するのか?
- カフェで働くことで発達障害の児童や青年にどんな効果があるのか?
- 他の人と円滑にコミュニケーションを取るための訓練はどこで受けられるのか?
発達障害の青年たちを支援する中国シャンハイにあるカフェの営業が再開されました。
8人のバリスタとウェイターたちは待ち遠しく思っていました。
発達障害の人たちのコミュニケーションスキルを向上させるための取り組みを行う中国初のカフェです。
4月にオープンしていましたが、その場所で営業を行うのに必要な許可がされず営業を休止していました。
「営業ができなかったこの1ヶ月間、発達障害のスタッフたちは、言葉や人とのやりとりのスキルを伸ばす訓練をしてきました。大きく伸びました。
私たちは、もっとスキルが伸びるようにこのお店の営業を続けていかなければならないと強く思います。」
そう、このカフェを運営する、音楽を通じて発達障害の子たちを支援している組織、シャンハイ・エンジェル・サロンをつくったチャオ・シャオシアは言います。
支援組織は、営業ができる新しいお店を見つけることができ、営業を再開しました。
コーヒーマシンの後ろには、16歳のダイ・ワンチェンがいます。
「僕はこのカフェで働けて嬉しいです。
僕の作るエスプレッソは最高のはずです。」
このカフェは、他のカフェとは違うところがあります。
お客さんはすべてボランティアの会員です。
ここに来て無料でコーヒーが飲める代わりに、発達障害の人たちと交流をします。
このカフェのプロジェクトに参加したいと応募した3500名を超える人の中から選ばれた、最初の100人です。
全員がトレーニングを受けています。
「ここは、発達障害の子どもたちが社会的なスキルを学ぶ場なのです。」
そう、支援組織のカフェプロジェクトの責任者であるイシワタ・タンイーが言います。
発達障害の子どもたちが、コミュニケーションスキルを向上させ、社会に参加しやすくすることが、このプロジェクトの目的の全てだと語ります。
「こうした取り組みは発達障害の子どもたちには必要です。
発達障害の子どもたちの多くは、家にこもり、他の人と交流することがありません。」
中国国営のチャイナ・ニュース・サービスによれば、発達障害の人は中国本土内で、1000万人以上だと推定されています。
発達障害は、行動や他社とのコミュニケーション、学習に影響するもので、程度や症状もさまざまです。
今、お店で働く8人の発達障害の人たちは、15歳から27歳までの男性です。
程度は異なります。
まず学校で、バリスタになるために学んでいます。
「教えた先生たちは、発達障害の彼らがあまりに早く学んだことに驚いていました。
しかし、発達障害の人ではめずらしいことではありません。」
そうタンイーが言います。
ここで働く16歳のワン・シェンチーの母親は、ワンが他の何よりもここで働くことに興味をもったと言います。
「息子はカフェに行くのが大好きでした。
再び、カフェで働けることを楽しみにしていたんです。」
母親は、息子がここで働くようになってから、いろいろ成長したと言います。
家では料理などもするようになって、家事を手伝っているそうです。
数年前に小学校を卒業すると、ワンはそれから学校には行っていなかったそうです。
それは、ワンを受け入れることができる学校がなかったためだと言います。
「このカフェは、学校に行くことができなかった発達障害の子も学べる素晴らしい機会です。
学校に通っていたころは、息子は他の子どもとうまくやっていくことができませんでした。
他の人と一緒になって何かすることもできませんでした。
今、カフェで働いている息子を見ると、その姿を誇りに思います。」
(出典・画像:中国South China Morning Post)
中国本土内で発達障害の人は1000万人以上と推定。
お店に来るお客さんも管理された、訓練を受けた人たち。
まさに中国という感じがします。
こうした取り組みが世界中に広がっていくことは、本当に心強く思います。
発達障害の子の父は会社を辞めてカフェ経営
(チャーリー)